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2015年8月14日(金)

訓練に「第三国」軍も参加か

全容公表は不可欠

沖縄・米軍ヘリ墜落

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 12日に発生した沖縄本島うるま市沖での米陸軍特殊作戦ヘリの墜落事故は、沖縄をはじめ日本全土が「日本防衛」とは無関係な米軍事作戦の訓練・出撃拠点にされ、住民の命と安全が脅かされている実態を改めて浮き彫りにしました。

 報道によると、事故を起こしたヘリは、沖縄本島沖を航行していた米海軍の大型輸送艦レッド・クラウドに着艦しようとし、甲板上のクレーンなどに接触して墜落しました。テロリストなど武装勢力に乗っ取られた船に特殊部隊員がヘリから降下し、奪還するという想定の訓練中だったといいます。

 重大なのは、米陸軍のオディエルノ参謀総長(大将)が今回の墜落事故について「いくつかの国との特殊作戦部隊の訓練中だった」と述べ、日米以外に第三国の軍隊が参加していた疑いが浮上したことです。

 日本政府はかつて、日米安保条約は米軍に施設・区域を提供しているのであって「(米軍が)第三国人の訓練をわが国において行うというがごときことは許されない」と国会で答弁しています(1971年12月1日、参院本会議)。今回の訓練がこうした政府の立場に反するものではなかったのか、全容を明らかにさせる必要があります。

 墜落したヘリは、沖縄だけでなく日本本土でも危険な訓練を繰り返していました。

 米軍厚木基地(神奈川県)では、墜落機を含む特殊作戦ヘリ3機が上空で機体側面のドアを全開にし、武装した兵士が機外に足を投げ出した状態でいるという訓練も目撃されています。

 陸上自衛隊東富士演習場(静岡県)での米軍ヘリの訓練で、近隣の中学校のテニス場に機関銃の空包が落下する事故(7月21日)が起きましたが、落としたのはこの3機のうちのいずれかだとみられています。

 今回の墜落事故で負傷した陸自隊員2人が、テロ・ゲリラ対処などを専門とする「特殊作戦群」の所属だということも大きな問題です。

 4月に改定された新「日米軍事協力の指針(ガイドライン)」は、地球規模の「海洋安全保障」分野での協力として、テロ対策や海賊対処を挙げています。今回事故が起きた訓練が、そうした日米共同の軍事作戦を想定したものではなかったのか。こうした点も含め、訓練の目的と内容を公表させることは不可欠です。(榎本好孝、佐藤つよし)


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