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2015年8月14日(金)

主張

教育のつどい

戦後70年 原点を深く胸に刻み

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 「みんなで21世紀の未来をひらく教育のつどい―教育研究全国集会2015」(教育のつどい=同実行委員会主催)が16日から3日間、仙台市内で開かれます。「戦後70年、手をつなごう、子どもたちに平和な未来を手わたすために」などをテーマに、全国の教職員、保護者、研究者、市民らが参加します。三百数十のリポートが発表され、日ごろの教育実践や運動を交流し、話し合います。

「再び戦場に送るな」

 教育のつどい(教育研究全国集会)は「教え子を再び戦場に送るな」のスローガンのもと1951年にはじまりました。戦争法案をめぐる緊迫した情勢のなかで開かれる今年の「つどい」は、その原点を深くかみしめ、憲法と平和を守る教育への思いを新たにする場となるでしょう。

 ある高校の国語教師のリポートは、昨年、「最近のニュース」について生徒が発表する授業で、最初の発表者が「集団的自衛権」の問題を取り上げ、議論したことを伝えています。「日本も戦争に参加するのか?」「憲法9条を変えるということか?」「自分たちにも大きな影響がでる」―。そんな意見が出たといいます。

 先日は東京・渋谷で高校生ら5000人が戦争法案に反対するデモをしました。各地で法案に反対する署名に小中学生もペンをとっています。子どもたちは真剣に戦争と平和の問題を考え、立ち上がっています。その思いにこたえ、平和な社会をどう築いていくのかをともに学び考えていく。そんな教育をすすめる上で、「つどい」は大きな意義をもっています。

 戦争法案を強行しようという動きと一体で、教育を「戦争する国」を支える「人づくり」の場にしようというたくらみも進行しています。「道徳教科化」などで偏狭な「愛国心」を子どもに押し付けたり、侵略戦争美化の教科書を使わせたりしようという動きです。

 「学力テストの点数を上げることが優先され、自由な実践がしにくい」「マニュアル通りの生徒指導が強要されている」など、子どもの実態に即した自主的な取り組みが制約されているのも、こうした動きと無縁ではないでしょう。

 「つどい」では困難のなかでも、子どもの力を信頼し、一人ひとりの子どもに寄り添った教育実践が各地から報告されます。

 ある小学校教師のリポートは、「問題行動」を繰り返す5年生の子どもの話をよく聞き、その行動の「裏」にある家族やクラスのみんなへの思いと苦しみを共有し、校長からは「甘い」といわれながらも子どもが安心できる学級にしていったことをつづっています。

 こうした経験を交流し、現場の自主性を奪う政策に抗して、子どもたちを人間として大切にする教育を前進させましょう。

被災地での実践も交流

 今回の「つどい」は東日本大震災と原発事故のあと、初めての被災地での開催となります。震災について特設分科会が開かれるのをはじめ、全体集会やフォーラム、分科会で震災と原発についての報告・討論があります。被災地の子どもと教育の現状を知るとともに、そこでの実践に学び、全国で生かしていくことが期待されます。

 多くの教職員、保護者、市民の参加で、「つどい」を大きく成功させ、共同を広げましょう。


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