2015年8月11日(火)
長崎原爆の日 各地で平和願う
バチカン・ローマ法王“核兵器禁止を”
「人類への警告」と呼びかけ
バチカン市国からの報道によると、カトリックの最高指導者であるフランシスコ・ローマ法王は長崎原爆の日である9日、サンピエトロ広場での祈りを聴きに集まった聴衆を前に、広島・長崎への原爆投下は「戦争を永遠に拒否し、核兵器とすべての大量破壊兵器を禁止せよとの人類への永続的な警告となっている」とのべました。
法王は、広島と長崎への原爆投下から70年たっても、「この悲劇的な出来事は、いまなお恐怖と強い嫌悪を呼び起こす」と指摘。
原爆投下は、「科学技術の進歩の利用を誤った場合に人類が手にする巨大な破壊力の象徴だ」と批判しました。
さらに、「この悲しい記念日は、私たちに、平和のために祈り、努力すること、諸国民の間に平和的な共存の雰囲気を広げるように求めている」として、「世界中の人々が立ち上がり、戦争や暴力にノー、対話と平和にイエスと言うべきだ」と呼びかけました。
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パリ・追悼集会 戦争法案へ抗議も
【パリ=島崎桂】長崎への原爆投下から70周年を迎えた9日、パリ中心部の共和国広場で、犠牲者を追悼し、核兵器廃絶を求める集会が開かれました。在仏の複数の反核・平和団体が共催したもので、パリ在住の日本人を含む100人ほどが参加しました。
同広場には各国語で「核兵器廃絶」と書かれた横断幕が立ち並び、参加者たちは、現地時間午前11時2分(長崎への原爆投下時刻)に合わせて1分間黙とう。核保有・配備国と、核保有が疑われる計14カ国の国旗の上でダイ・イン(死者を模した抗議行動)を行いました。
参加した日本人の多くは、核廃絶の願いと併せ、戦争法案への懸念を表明。「アベ政治を許さない」と書かれたプラカードを手に、同法案に抗議しました。
核廃絶を求め、6日からハンガーストライキを続けてきたフランスやドイツ、米国の市民ら約100人はこの日、無事に断食を終えました。
昨年、パリでのハンストに日本人として初参加した天羽(あもう)みどりさん=翻訳業=は、今年2度目の参加。「福島原発事故を境に価値観が一変し、核兵器や原発問題に関心を持ち始めました。未来ある若者を戦争に送ろうとする安倍首相には、一日も早く退陣してもらいたい」と語りました。