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2015年8月9日(日)

2015とくほう・特報

ママ 立ち上がる 戦争法案ノー

いま、声出すことが“究極の子育て” 「会」は30県以上に

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 1人の若い母親のインターネットでの発信をきっかけに立ち上がった「安保関連法案に反対するママの会」。先月末、東京・渋谷で2000人の街頭宣伝とデモを成功させ、ネット署名に寄せられた賛同メッセージは2万人近くに広がっています。地方でも「ママの会」が30都道府県以上にでき、デモや宣伝が各地で行われています。合言葉はひとつ、「だれの子どもも ころさせない」。(内藤真己子)


悔やむのいや 呼びかけ響く

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(写真)横浜市で、戦争法案反対デモに参加した「ママの会@神奈川」の加藤宏美さん(前列右端)らママたち=2日

 「アベ シンゾウから 憲法守れ」。猛暑のなか、ベイエリアを行く横浜市の戦争法案反対デモ(2日)に、サングラスが似合う加藤宏美さん(28)=専業主婦=の姿がありました。6歳の長男と4歳の長女もいっしょです。100人以上がゆるやかにつながる「ママの会@神奈川」の仲間と歩きました。

 専門学校を卒業後、契約社員として働き21歳で妊娠、結婚・出産した加藤さん。若くして「子どもが最優先」へと変化した生活に葛藤を覚えつつも、懸命に子育てと向き合ってきました。そんなとき福島原発事故が起きました。子の健康を気遣い放射能汚染問題をネットで調べるうち、社会や政治に関心を向けるようになります。安倍政権誕生後の特定秘密保護法の強行、集団的自衛権の行使容認。「戦争に向かっているんじゃ…」。恐ろしさを感じていましたが、行動に移すことはありませんでした。

 それを変えたのは、「戦争法案の強行採決」でした。「声を出さなかったことをすごく悔やんだんです。もう後悔したくない」。“普通のママ”が呼びかければ響くのでは、と翌7月16日、インターネットの交流サイト、フェイスブックで神奈川の「会」を立ち上げました。

 「戦争で殺されるために、大変な思いをして子どもを育てているんじゃない。いま、声を出していくのが『究極の子育て』だと思うんです」

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(写真)「ママの会」の宣伝グッズ

 それに応え、協力を申し出た増子順子さん(38)は1歳と5歳の子がいます。社会活動の経験はありません。6月に若手弁護士が話す「憲法カフェ」で学んだことが転機になりました。

 第1次安倍政権で改憲手続き法(国民投票法)が成立、その後、自民党が「国防軍」創設の改憲草案を出したと知りました。「安保法案は自民党がもくろむ憲法『改正』につながります。危険にさらされるのは自衛隊だけでなく将来はわが子。そんなことになったら悔やんでも悔やみきれない」

等身大の言葉つたえたい

 石川県の「会」は、公開説明会の開催を求めるなど、地元議員への働きかけを始めています。同法案の衆院強行採決の2日後にできた「会」は「気持ちを等身大の言葉で議員に伝えよう」とメッセージを募り、2週間で150通以上が寄せられました。

 「じえいたいになりたいともだちがいます。あべさんが、じえいたいをせんそうにいかせなくなるように、いまのほうあんをやめたらともだちがじえいたいになるのをおうえんしたいです」(7歳・男児)、「これから未来を創っていく若い世代の人々が人を傷つけることを良しとする社会であってほしくない」(36歳・2児の母)。

 「『自民党王国』の石川県でこんなに多くの方が実名でメッセージを寄せてくださるなんて予想外。泣けてきました。与党の議員さんは、ぜひこの声に耳を傾けてほしい」。7歳と4歳のママで、友人と「会」を立ち上げた市井早苗さん(37)は語ります。

「今からでも 遅くない」と

 北海道の「会」は、札幌市で「MOTHERS AGAINST WAR 8・9ピースパレード」を行います。

 参加を広げようと2000枚のチラシを全戸配布している中上範子さん(34)は、13歳と6歳の母親です。安倍首相がアメリカ議会で戦争法案成立を誓約したのを見て、驚きました。「この人(安倍首相)の目に国民なんか入ってない。手段を選ばずやってくる」

 勇気を奮って思いをネットに投稿しましたが広がりません。もんもんとしていたとき、北海道の「会」ができ「同じ危機感を持っている人とつながれる」と飛び込みました。

 15人の実行委員には9歳と5歳の子を育てながらフルタイムで働く40代の女性医師もいます。「誇りに思っていた『戦争しない国、平和な日本』を子どもたちに手渡せないのは恥ずかしい。仕事と子育てでニュースを見る余裕もない生活でしたが、気づいた今からでも遅くない。行動したいと思います」と話します。

勇気ある行動意味は大きい

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(写真)東京・渋谷のデモで「だれの子どもも ころさせない」とアピールするママやパパ、子どもたち=7月26日

 こうしたママたちの動きについて「安保法制に反対する学者の会」のメンバーの1人、同志社大学の岡野八代教授はこう語ります。

 「若い母親たちは安倍政権によって戦後民主主義が破壊されようとしていることに肌感覚で危機を感じているのではないでしょうか。『戦争になるの』という子どもの問いかけに、ママたちが居ても立ってもいられなくなって、『母親』という社会的に置かれた役割を前面に掲げ、子どもたちと一緒に行動に立ち上がったのは勇気ある行動で、その意味はとても大きい。さまざまな集団が声をあげ、それがつながって国全体を包むたたかいを発展させ、戦争法案を廃案に追い込みたいと思います」





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