2015年8月8日(土)
被爆者証言 心揺さぶる
米市民が涙「放射能の恐怖今も…」
「原爆投下 間違っていた」
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【ボルティモア(米メリーランド州)=島田峰隆】米東部メリーランド州ボルティモアで6日、被爆者の証言を聞き、核兵器廃絶を求める市民集会が開かれました。約50人が参加。地元の平和組織「ヒロシマ・ナガサキ追悼委員会」が毎年開いている催しで、今年で31年目になります。
被爆70年に合わせて訪米している被爆者、松山五郎さん(86)と千葉孝子さん(73)が1時間近く、広島での被爆体験を語りました。被爆直後の惨状や放射能による病気への恐怖、核廃絶の決意を語る2人の話に、参加者は時折、涙を流しながら聞き入りました。
集会に毎年参加しているというマリリン・カーライルさん(72)は「被爆者の証言にはいつも心を揺さぶられます。米国では原爆投下は正しかったという人がまだ多い。でもその考えは全く間違っていることが2人の話からよく分かりました」と話していました。
大学教授のスタン・ベッカーさん(65)は「一番衝撃を受けたのは、被爆者が子どもを持つかどうか、被爆したことを家族に伝えるかどうかで悩み、いまだに放射能の影響に恐怖を感じていることです。核兵器は絶対になくさなければなりません」と感想を語りました。
参加者は集会に先立って、「ヒロシマとナガサキを記憶に残そう 二度と繰り返すな」と書いた横断幕を掲げて市内を行進しました。車から手を振ったり、クラクションを鳴らしたりして声援を送る市民も見られました。
米国が第2次世界大戦中に進めた原爆開発計画「マンハッタン計画」の関連施設があるテネシー州オークリッジでも6日、市民が核兵器廃絶を求めて宣伝しました。核兵器開発に携わるカリフォルニア州のローレンス・リバモア国立研究所近くでも約300人が抗議行動に取り組みました。