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2015年8月8日(土)

刑事訴訟法等改悪案への

畑野議員の反対討論

衆院本会議

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 日本共産党の畑野君枝議員が7日、衆院本会議で行った刑事訴訟法等改悪案に対する反対討論は以下の通りです。


 盗聴法の大改悪など刑事訴訟法等の改定案に、反対の討論を行います。

 刑事司法に問われてきたのは、冤罪(えんざい)の根絶です。ところが政府は、それを「過度な取り調べ依存からの脱却」と矮小(わいしょう)化し、「世界一安全な国づくり」とすりかえて、盗聴法の大改悪と司法取引導入を柱とする一括法案としたのであり、法案の中心は、国民を監視し抑え込む治安立法というべきです。冤罪被害者と国民を裏切るものであり、到底認めることはできません。

 反対の理由の第一は、盗聴法の大改悪です。

 憲法21条2項の通信の秘密、13条のプライバシーの権利は、ひとたび損なわれれば取り返しがつきません。盗聴の本質は、犯罪に無関係の通信をも根こそぎつかむ盗み聞きであり、憲法35条の令状主義、31条の適正手続きの保障を侵害する明白な憲法違反です。

 現行法は、1999年、厳しい国民的批判に国会が包囲されるなか、対象を組織犯罪に限定し、通信事業者の常時立ち会いという、与党修正によって強行されたものです。それを、捜査機関にとって使い勝手が悪いからと取り払い、対象犯罪を一般的犯罪にまで拡大し、常時立ち会いをなくせば、重大な人権侵害をさらに拡げ、盗聴を日常的な捜査手段とする「盗聴の自由化」につながりかねません。傍受内容の暗号化は、警察署でいつでもじっくり盗聴しようとするもので、言語道断です。

 日本共産党国際部長宅盗聴事件の被害者、緒方靖夫氏の参考人陳述は、盗聴の本質、重大な権力犯罪をあえて行う警察権力の卑劣さを委員会全体に共有させるものとなりました。その事実を認めず謝罪もしない警察に盗聴の自由を認めるなど、断じて許すわけにはいきません。

 第二に、司法取引制度は、自らの罪を免れようと他人を「引っ張り込む」危険を本質的にもっており、それは米国における深刻な実態が報告された参考人質疑で明らかです。政府は虚偽供述罪で防止すると言いますが、それは逆に虚偽の供述の危険を高めるものです。

 第三に、取り調べの可視化は、憲法38条の黙秘権の実効性を保障するものとして、捜査機関に対し全事件、全過程の録音・録画を義務付けるものとすべきです。法案は、可視化の対象事件を全事件のわずか3%にとどめ、しかも取調官の裁量による広範な例外を認めるものであり、新たな冤罪を生み出す危険さえあります。

 こうした法案の重大問題は、自民、公明、民主、維新4党の修正によって、いささかも変わるものではありません。4党が密室で合意したとして、8月5日の朝、修正案を提出し、その日に採決を強行したことは、前代未聞の暴挙といわなければなりません。

 本法案は廃案にすべきです。


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