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2015年8月4日(火)

米軍の「非人道兵器」を追認

クラスター爆弾・劣化ウラン弾輸送

井上氏「これで国際貢献か」

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戦争法案答弁
写真

(写真)質問する井上哲士議員=3日、参院安保特委

 戦争法案で新たに可能になる他国軍の武器・弾薬輸送や部隊防護によって、米軍の非人道的兵器の使用に加担する可能性まで法律上排除されていないことが、3日の日本共産党の井上哲士参院議員の質問で明らかになりました。政府は、井上氏の再三の追及にも、米軍の使用と自衛隊の支援を容認する異常な姿勢に終始しました。

 米国はクラスター爆弾禁止条約に加盟しておらず、アフガニスタン戦争(2001年〜)やイラク戦争(03年〜)で、劣化ウラン弾についてはボスニア・ヘルツェゴビナ紛争(1994年)、コソボ紛争(99年)など、累次の戦争・紛争で使用を繰り返してきており、国際的な規制の動きにも背を向けています。

輸送排除せず

 「兵たん」関連の2法案で、「これらの兵器の輸送も排除されていないのではないか」と迫った井上氏に対し、中谷元・防衛相は「安全確保は大前提のため、物品がどのようなものかは重要だ」として、「非人道性」ではなく「自衛隊の安全性」の観点からの答弁を繰り返しました。

 クラスター爆弾について、防衛相は「『移譲』に当たらない形であれば、輸送は条約上否定されない」と否定しませんでした。劣化ウラン弾についても、「日本として保有したことの無い弾薬で、輸送の安全性について承知していないため確定的に言えない」と開き直りました。

「慎重に判断」

 井上氏は、非締約国が使用しないよう締約国にも努力を求めるクラスター爆弾禁止条約を日本が締結していることをあげ、輸送を要請されれば断り、使用をやめるよう働きかけるのが当然だと批判。「これでなぜ国際平和貢献か」と追及しました。防衛相は「事態に応じて慎重に判断していく。とにかく輸送が安全にできるかどうか」などと繰り返しました。

 在日米軍基地内にはこれら二つの兵器が保管されていることを政府は以前から認めてきており、日本有事の際の米軍のクラスター爆弾使用も容認する姿勢をみせています。

 また、核兵器搭載航空機を運搬する米空母の護衛まで可能になると指摘した井上氏に対し、岸田文雄外相は「米軍が自衛隊に核搭載した航空機・艦船等の警護を要請することは想定されない」と述べたものの、法律上は否定しませんでした。

 核兵器・クラスター爆弾・劣化ウラン弾 「非人道の極み」とされる核兵器をはじめ、いずれも戦争終了後も長期にわたって民間人に残酷な被害を広げる非人道性から、国際規制が議論されている兵器。クラスター爆弾とは、砲弾型ケースの中に多数の子爆弾を詰めたもので、攻撃範囲の広さや使用後に残る不発弾被害の多さが問題視されています。劣化ウラン弾は、放射性廃棄物を弾芯に用いた強い貫通力を持つ砲弾で、飛散した微粒子による放射能汚染が白血病などの原因になると指摘されています。


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