2015年8月4日(火)
礒崎氏が辞任拒否
「法的安定性」暴言 解釈改憲を正当化
参考人招致
礒崎(いそざき)陽輔首相補佐官は3日、参院安保法制特別委員会に参考人として出席し、戦争法案に関して「法的安定性は関係ない」(7月26日の大分市内での講演)とした自身の暴言について「軽率な発言で審議に多大なご迷惑をおかけした。発言を取り消し、心からおわびする」と陳謝しました。首相補佐官の国会招致は初めて。鴻池祥肇(こうのいけ・よしただ)委員長(自民)、野党を代表して民主党の福山哲郎議員が質問しました。
礒崎氏は、辞任要求を拒否し、「(講演の中で述べた)『国際情勢の変化に一定の配慮をすべきだ』という部分は間違ってはいない。撤回する考えはない」と明言。「集団的自衛権の行使は憲法上許されない」とした1972年政府見解を、「情勢の変化」をあてはめて百八十度覆した安倍政権の解釈改憲を正当化しました。
参考人質疑を受けた質問で日本共産党の井上哲士議員は、礒崎氏の陳述について「それこそ法的安定性が崩れることになる」と指摘。「どんなに情勢が変わっても、憲法上やってはいけない。必要最小限度は変わらないということが法的安定性だ」と批判し、礒崎氏と政府側の見解が一致するのか問いただしましたが、中谷元・防衛相はまともに答弁できませんでした。井上氏は「政府自身も法的安定性に対しての対応が問われている」と批判しました。
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