2015年8月2日(日)
戦争法案絶対阻止へ連帯 立場・世代超え
広島・庄原 公明除く全市議も参加「市民の会」
早速、街頭で廃案訴え
自民県議「国民に背向けた党本部」
広島県庄原市で7月31日に党派を超えて結成された「ストップ・ザ・安保法制 庄原市民の会」が1日、さっそく街頭で戦争法案廃案を求める署名を訴えました。同市から選出の自民党・小林秀矩県議、市議会の堀井秀昭議長ら6人の議員がスーパー前に立ち、日本共産党の谷口隆明、松浦昇両市議も参加しました。(前野哲朗)
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強い日差しのなか市民は次々と足を止め、1時間たらずで署名に応じたのは100人超。署名した市内の女性は、超党派での取り組みに「この件では一致して取り組んでいるのですね。子どもにかかわる問題なので、廃案にしてもらいたい」と語りました。
小さな市で大きな共同
県北東部、中国地方のほぼ中央に位置する庄原市。人口約3万8千人の自治体で、戦争法案を廃案に追い込もうと、大きな共同の運動が始まりました。
31日結成の「市民の会」には、小林県議と保守系市議、日本共産党市議、社民党市議らが参加。市議会議員20人のうち加わらなかったのは公明党議員1人だけで、団体も労働組合や女性団体など幅広く参加します。
「市民の会」は10日に大集会を開きます。
「集会で、国会前のように若い人にスピーチしてもらおう」
「このチラシは字が多すぎる」「『過激』と受け取られない表現にしよう」
意見調整に時間かけて
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31日の結成会議では、市議や市民らの真剣な議論が続きました。議員間の議論では、異なる会派で共同行動するという新たな取り組みのため、意見調整に時間がかかる場面も見られました。それが逆に運動の広がりを感じさせます。
保守系無所属の堀井議長は、保守と革新が一つの組織までつくり行動することは「記憶にない。初めてじゃないか」と言います。そして「戦後、憲法で戦争しないと決めたことを、国民の意思に反してやられようとしている。今回は民主主義の問題であり、保守・革新で争う問題ではない」と強調しました。
安倍政権の憲法と民主主義を軽視する姿勢は、国の根本的な在り方についての危機感と怒りを、立場を超えた人々に生み、共同をつくる条件をつくりだしています。
安倍政権に反旗を翻す格好となった小林県議は結成会議後の記者会見で「小泉政権のころから自民党本部は独裁的な状態になり、安倍政権にいたっては右傾化し、国民に背を向けた。私は40年間自民党籍で、保守本流をまっすぐ歩んできた。自民党本部が変わったのだ」と強調。「除籍処分も覚悟している」と述べました。
「安保法制には6月の定例会で反対の意見書を提出したが、それだけでは安倍政権は止まりそうもない。だから今回、具体的な行動を起こした」と話す堀井議長は力を込めました。
「平和国家と民主国家という基本が崩されたら、『地方自治』なんて意味もなくなってしまう。庄原市の活動が全国に広がれば、安倍内閣の思いも変わるのではないかと期待しているし、絶対変えていかなければならんと思っていますよ」