2015年7月31日(金)
「みなし制度」
骨抜きは背信行為
小池氏 「労働者の権利奪う」
日本共産党の小池晃議員は30日の参院厚生労働委員会で、違法派遣で使用した派遣労働者を派遣先に直接雇用させる「労働契約申し込みみなし制度」を骨抜きにすることは労働者への背信行為だと追及しました。
「みなし制度」は、「派遣切り」に対する社会的批判と規制強化を求める労働者のたたかいに押されて2012年に導入され、今年10月施行予定です。
ところが、安倍内閣は、労働者派遣法改悪案を9月1日に成立させて「みなし制度」を骨抜きにしようとしています。改悪案では、期間制限のない専門業務と制限のある一般業務の区分をなくすため、専門業務を装う期間制限違反など違法派遣が合法化され、同制度は発動されません。
小池氏が「(同制度について)当時野党だった自民、公明も賛成した。賛成した理由は何か」とただすと、塩崎恭久厚労相は「働く人を守るため」と答えざるをえませんでした。
小池氏は「なぜ施行前に骨抜きにしてしまうのか。労働者は権利を奪われ、企業は違法を問われない。矛盾している」と畳み掛けると、塩崎氏は「2012年改正の付帯決議にある」と言い訳。しかし、小池氏が「専門業務をなくすと決議に書いてあるのか」とただすと、坂口卓派遣・有期労働対策部長は「書かれていない」と認めました。
塩崎氏が「労働政策審議会の建議にもとづくものだ」とごまかしたのに対しても小池氏は、「審議会で労働者も使用者も廃止を求めていない」と反論。「(制度施行で)混乱が起こるというが、3年もあったのだから専門業務偽装など根絶できたはずだ。問題となるのは労働行政の怠慢だ。天につばするとはこのことだ」と批判しました。