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2015年7月29日(水)

きょうの潮流

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 日常に居座る危険は恐怖の感覚をマヒさせる。しかし何かが起きるたびに、まざまざとそれはよみがえる―。普天間基地の周辺を取材したとき、住民が口にしていたことを思い出しました▼飛行場の性質こそ違うものの、調布飛行場の周りに住む人たちはいま、恐れや不安におびえる日々を過ごしています。8人が死傷した小型機の墜落は、住宅密集地に隣接する現実の危険を衝撃とともに如実に表しました▼「魔の11分間」。離陸後の3分間と着陸前の8分間に航空機の事故が集中していることから関係者はこう呼びます。パイロットが最も緊張を強いられる時間帯。今回はまさに離陸後、数十秒の惨事でした▼原因究明はこれからですが、すでに異常な低空飛行や飛行目的に疑問が出ています。十分な高度がとれなかったのはエンジンの出力不足や重量に問題があったのでは。操縦者の技能維持を目的とする慣熟飛行ではなく、禁止されている遊覧飛行ではなかったか▼戦争中は日本陸軍が使用し、戦後の米軍接収から1973年に全面返還された調布飛行場。市民による反対運動はそのときから続いています。80年に近くの中学校校庭に小型機が墜落した際には、ときの大臣が「必ず代替地を探す」と明言しています▼共産党都議団は再発防止策とともに、調布飛行場の閉鎖をめざし、伊豆諸島などと結ぶ飛行場の確保を都に申し入れました。くり返された事故は空の安全とともに、住民の恐怖の中にある飛行場の存在にも一石を投じています。


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