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2015年7月22日(水)

きょうの潮流

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 ある問題にたいして解答を求めるとき、科学者は三つのことを想定します。解答が存在する、解答が唯一存在する、真実の最終的な審判官は自然である―。亡くなった南部陽一郎さんの著書に記されていました▼科学の主題は自然で社会や歴史、芸術のような人間の創造物ではない。しかし、客観的な真実と普遍性、知識の進歩を信じる科学者たちは心の中で自信をもっている。科学が人間社会の主要な推進力である、と▼南部さんはその誇りを胸に、物質や宇宙の成り立ちを探求する素粒子物理学の研究にとりくみました。世界に先駆けた日本の物理学を引き継ぎながら米国に移住。画期的な理論を次々と発表し、礎をつくりました▼人類はいま、太陽系や生命誕生の謎をひもとく探査を続けています。一つは地球から48億キロの旅路を経て冥王星に最接近した米探査機「ニューホライズンズ」。もう一つは彗星(すいせい)に着陸した欧州宇宙機関の探査機「ロゼッタ」の観測です▼46億年前の太陽系原始の痕跡が今も凝縮されている冥王星は、彗星とともに地球の成り立ちの秘密を知る天体といわれます。探査機からはさっそく鮮やかな氷の山脈や平原の映像が送られてきています▼夏の夜空を照らす満天の星には人類の夢がたくさん散りばめられています。戦後、焼け野原の東京で研究室の机にゴザを敷いて寝泊まりし、食べるものも着るものもない中で研究を続けた南部さん。真実の解明は次の世代へ。「世界の平和が今後も続けば、夢は実現されていく」


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