2015年7月18日(土)

侵略戦争・過ち認めよ

戦後７０年談話に学者ら声明

（写真）安倍首相の戦後70年談話にたいする声明を発表する学者・研究者ら＝17日、日本記者クラブ

　著名な国際法学、歴史学、国際政治学の学者・研究者らが１７日、日本記者クラブで記者会見し、安倍晋三首相が今夏にも発表する戦後７０年談話に対する声明を発表しました。日本の過去の侵略戦争と植民地支配を過ちと「潔く認め」、国民が胸を張って引用できる談話を発表するよう求めています。

　大沼保昭明治大学特任教授、三谷太一郎東京大学名誉教授ら６人の学者が記者会見。声明には７４人の学者らが名を連ねています。

　声明は、首相が村山・小泉両談話を「全体として継承する」というなら「その意味を具体的な言語表現で明らかにすること」を要望。日本の１９３１～４５年までの戦争は侵略戦争だったと述べ、この戦争が「この上ない過誤であったことは、残念ながら否定しようがない」「日本が台湾や朝鮮を植民地として統治したことは、紛れもない事実だ」と断じ、過ちは「潔く認めるべきだ」と求めています。

　また、歴代首相の「侵略の定義は定まっていない」との見解を「学問的には必ずしも正しい解釈とは思わない」と批判。そうした発言が、日本の戦争が侵略戦争だったとする「国際社会で確立した評価を否定しようとしているのではないかとの疑念を生じさせるもの｣と指摘しています｡

　大沼氏は記者会見で、「私たち学者の声明を無視した談話を出すのであれば、過去の戦争の評価を『学者に任せる』というこれまでの発言は単なる言い逃れだったということになる」と強調。毛里和子早稲田大学名誉教授は「声明の背景には、われわれ研究者が感じている日本の政治状況への本質的な危機感がある」と語りました。