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2015年7月18日(土)

2015 とくほう・特報

戦争法案 廃案へ草の根共同さらに

学生ら次々署名 ■ 老人クラブ会長ら賛同

「強行」に怒り 党派超え

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 安倍内閣と与党は憲法違反の戦争法案を衆院で強行採決したものの、法案に反対する広範な市民の草の根の共同と、党派を超えた一点共闘が日本列島各地で燎原(りょうげん)の火のように広がっています。空前の規模になったたたかいを地域でさらに進め、戦争法案を廃案にするたたかいを広げようとしています。 (内藤真己子、写真も)


市内46団体が結集 相模原

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(写真)若い人が次々署名に応じた「ストップ戦争法7・31大集会inさがみはら」実行委員会の強行採決に抗議する宣伝行動=16日午後、相模原市

 「国民主権を踏みにじる強行採決に抗議します。地域から声を上げ市民の力で必ず参院で廃案にしましょう」。戦争法案が衆院本会議で強行採決された16日午後2時すぎ。神奈川県相模原市の相模大野駅前に市民の声が響きました。市内の46団体でつくる「ストップ戦争法7・31大集会inさがみはら」実行委員会の抗議の署名宣伝行動です。

 近くの相模女子大学の学生らが次々と署名に応じ、飛び入りでビラ配布を手伝う若い男性まで現れました。1週間前の宣伝では「自民支持」という男性(62)が署名し「安倍首相はおじいさん(岸信介元首相)の亡霊に取りつかれていて危険だ。集会に行こうかと思う」と語っていました。この日は、それを上回る反応でした。

 「署名は初めて」という18歳の同大生2人連れは、「日本は戦争して大変だったのになぜ繰り返すの。訳分かんない」「戦争していいことはないし。絶対反対」。

 高校の同級生の男性2人組(21歳)は、「あれだけ違憲と言われているものを通すなんて法治国家とは程遠いでしょ」(介護職員)、「『後方支援』というけど武器運んだら戦争しているのといっしょ」(会社員)と口々に語ります。

 実行委員会には9条の会、戦争をさせない1000人委員会ほか幅広い市民団体が結集しています。「慰安婦」問題を考える市民の会の桜井真理代表(59)は、「戦争法案は、『二度と戦争をしないで』という元慰安婦の方々の願いを顧みないもので絶対に認められない。『点』を『面』に広げて廃案にできれば」と語ります。

 31日には民主党顧問の藤井裕久氏(元財務相)が講演する集会を開催。日本共産党、民主党、社民党の国会議員・地方議員が参加します。運動の広がりと連動し、同市議会では6月末、政令市では2番目に安保法制の慎重審議を求める意見書が可決されています。

保守系の有力者も 根室

 北海道根室市では、幅広い167人の個人と、連合・全労連各加盟労組など22団体に日本共産党、社民党が加わり「戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動根室実行委員会」が結成されています。ねむろ「九条の会」(細川憲了代表世話人)が呼びかけたもの。21日には、強行採決に抗議し参院での廃案を求め、デモ行進を行います。

 賛同人には元同市議会議長、元自民党道議、元社会福祉協議会長、老人クラブ会長など保守系を含む幅広い人士が名を連ねています。

 元民主党市議で元連合北海道根室地区連合会長の織田忠弘さん(71)もその1人です。織田さんは「ほとんどの学者が違憲といい、8割の国民が審議不十分だといっている法案を強行するのは暴挙です。党派を超え、市民一人ひとりが声をあげ、結束して反対運動をもりあげていくことが廃案に追い込む上で必要だ」と語ります。

県政初の合同宣伝 佐賀

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(写真)共産、民主、社民各党による超党派街頭宣伝。車上で訴えるのは日本共産党の武藤明美県議。左隣は1000人委員会の大草代表=5日、佐賀市

 「保守王国」といわれる佐賀県でも日本共産党、民主党、社民党の国会議員・地方議員による超党派の街頭宣伝行動が取り組まれています(5日)。各紙も「廃案求め初の共闘」(佐賀新聞)「超党派『安保法案廃案に』」(「朝日」)などと大きく報じました。

 主催した「戦争をさせない佐賀県1000人委員会」の大草秀幸代表(旧相知町長)は県政史上初の超党派宣伝の背景について「危機感の現れ。その一点です」と語ります。

 大草さんは言います。「安倍首相は従来の保守王道とは違う異質な政治のにおいを持っています。憲法解釈を勝手に変え、学者や元最高裁判事があれだけ違憲と言っているのを強行採決するなど、聞く耳をもたない暴走です。祖父の岸元首相の座右の銘『千万人といえども吾往(われゆ)かん』で、最高責任者である自分がやっていることは何でも正しい、というのはとんでもない話です」「いままでそれぞれが立場を考え取り組んできたけど、もうこだわっているときではない。戦争に向かうような政治の運びに絶対ストップをかけなければ」

 地元紙の事前報道をみて街頭宣伝に夫婦でやってきた神埼市の男性(73)は、「安倍首相のやり方は頭にきとっと。がんばって止めんばおかしかろう。自衛隊が足らなくなると徴兵制の危険もある」。

 車に同乗して駆けつけた元自民党支部役員の男性(90)=唐津市=は特攻出撃する兵士を通信兵として見送った経験があります。「さびしそうな目をしてね。血の気がなかったとですよ。戦争だけは絶対いかん。アメリカに行って(戦争法案を)成立させると約束してくることごたる安倍首相はおかしか」

 超党派宣伝も弾みになり翌週の12日には、自民党員や老人クラブ会長など600人を超える「賛同者」が広がり、「戦争法案反対の集いin佐賀」(同実行委員会主催)が開かれています。


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