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2015年7月17日(金)

新基地違法性を指摘

沖縄・第三者委報告書

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(写真)翁長雄志知事(右)に埋め立て承認の検証報告書を手渡す第三者委員会の大城浩委員長(左)=16日、沖縄県庁

 「あらゆる手段を行使して辺野古新基地を阻止する」。こう訴える沖縄県の翁長雄志知事にとっての「本丸」が、前県政が2013年12月に行った辺野古埋め立て承認の取り消しです。この手続きに踏み切れば、埋め立て工事はただちに違法となり、政府は即時停止を余儀なくされます。

 辺野古埋め立ての適法性を検証してきた第三者委員会が16日、「法的に瑕疵(かし)がある」と結論づけた報告書を提出したことは、知事が取り消しを判断する上での重要な基盤になります。

法的な「瑕疵」

 今年2月に発足した第三者委員会は、辺野古の埋め立てが公有水面埋立法に照らして適法かどうかを検証してきました。同法4条は、埋め立ての「国土利用上の適正・合理性」や「環境保全」など、6点にわたる要件を定めています。

 検証報告の概要は、「(辺野古の)埋立承認が適法であるためには、これらの要件をすべて充足する必要がある」と指摘。さらに、これら要件の前提となる要件として「埋め立ての必要性」が要求されていると述べています。その上で検証報告は、4点にわたって法的な「瑕疵」を指摘しました。(別項)

 何より大きいのは、「『埋立ての必要性』の要件を充足していると判断することはできず、法的に瑕疵がある」と結論付けたことです。つまり、新基地建設そのものが違法であるという立場です。

 この点は、「環境保全」が不可能であることまでは認めながら、新基地そのものの是非に踏み込まず、最後は政府の圧力に屈した仲井真前県政との決定的なちがいです。

支援・連帯を

 翁長知事は検証結果を受け、埋め立て承認の取り消しに向けた作業に入ります。辺野古埋め立ての前提である海底掘削(ボーリング)調査は9月末まで延期されましたが、政府はすでに調査が完了した地点での工事着工も排除していません。知事はこうした動きをにらみながら、取り消し判断の時期を探ります。

 ただ、沖縄県が埋め立て承認の取り消しに踏み切れば、訴訟など国による対抗措置も不可避となります。安倍政権と県の正面からの対決になるだけに、全国からのいっそうの支援・連帯が求められます。 (竹下岳)

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