2015年7月17日(金)
沖縄・基地建設 辺野古承認に瑕疵
第三者委が報告書 知事「取り消しも」
沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設に伴う前知事の埋め立て承認を検証していた県の第三者委員会(大城浩委員長)は16日、「法の要件を充(み)たしておらず、法律的瑕疵(かし)が認められる」とした報告書を翁長雄志知事に提出しました。 (関連記事)
翁長知事は「最大限尊重させていただく」とし、「内容を精査し、今後、埋め立て承認の取り消しも含めて慎重に検討していきたい」と述べました。沖縄県が埋め立て承認の取り消しに踏み切れば、辺野古新基地建設に伴う埋め立て工事の法的根拠がすべて失われます。政府は今夏にも本体工事に着工する考えを示していることから、知事は8月中にも取り消しを判断する可能性があります。
第三者委は、前知事が行った辺野古沿岸部の埋め立て承認の経緯に瑕疵(法的な欠陥)があったかどうかを検証するため県が設置。行政法や環境問題に詳しい弁護士や学者6人で構成され、2月から十数回の会合を開き検証してきました。 検証報告書は、「埋立対象地についての『埋立ての必要性』については合理的な疑いがある」と述べて、辺野古新基地建設のための埋め立てに合理性があるか疑問と指摘。そのうえで、辺野古地区での埋め立ての必要性があるかどうかの審査がなされていないこと、審査が実態として不十分であることなどを列挙し、「法的に瑕疵があると考えられる」と断じています。
また、公有水面埋め立ての要件を定めた公有水面埋立法第4条第1項の、国土利用上適正かつ合理的であること、環境保全に十分配慮されていること、埋め立て地の用途が国または地方公共団体の法律にもとづく計画に違反しないこと―のいずれも満たしておらず「法的に瑕疵がある」と結論付けています。
報告書の精査が終わり次第、報告書および関係資料、議事録が公開されます。