2015年7月12日(日)
ホルムズ海峡封鎖“現実性が乏しい”
外務省内部文書 穀田議員が暴露
安倍政権が集団的自衛権行使で唯一念頭に置いている実例としてあげているホルムズ海峡の機雷掃海に関して、外務省は機雷敷設による海峡封鎖自体、“現実性が乏しい”とみていたことが10日の衆院安保法制特別委員会で初めてわかりました。日本共産党の穀田恵二議員が、「取扱厳重注意」とされた外務省の内部資料から明らかにしたものです。
穀田氏が暴露した外務省資料は、2012年に日本が米軍主催のペルシャ湾での国際掃海訓練に参加するにあたり、外務省がまとめたもの。同資料には、「イラン原油輸出はホルムズ海峡経由で行われており、海峡『封鎖』はイラン自らの経済活動を封殺するものであり、ホルムズ海峡『封鎖』はイランにとっても重大な決断を要するもの」と明記されています。
穀田氏は「外務省では海峡封鎖は、イランにとっても自らの首を絞めかねない両刃の措置と分析していたではないか」とただしました。岸田文雄外相は「ご指摘の資料が手元にない」と答弁を避けました。
さらに穀田氏は、同資料には「イランにとっての敵国である米主催によるペルシャ湾での掃海訓練への(日本の)参加は、イラン側からの強い反応を惹起(じゃっき)し得るもの」と記されていることを指摘。「戦時下での機雷掃海となればイラン側から無用の反発を招きかねない」と批判しました。
穀田氏は、政府自らの分析資料からも、イランによる海峡封鎖を「理由」にした憲法解釈変更の論拠の破綻は明白だと強調しました。
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