2015年7月10日(金)
自治体への負担に反対
畠山議員 震災復興の足引っ張る
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日本共産党の畠山和也議員は9日、衆院震災復興特別委で、政府が東日本大震災の被災自治体に「自立」を迫る視点から財政負担の押しつけを決定したことに対し、「復興の足を引っ張るものだ」と批判しました。
畠山氏は、国の復興推進会議が、復興の現状について「完了に向けた見通しが立ちつつある」「新たなステージを迎えている」としているが、健康被害や精神疾患に苦しむ被災者が依然として多数いる実態調査を提示。「復興事業や巨額の補助金によって大企業が利益を上げる一方で、被災者は置き去りにされてきたというのが(震災後の)4年4カ月の現実だ」と指摘し、被災者のくらしと生業(なりわい)の再建こそ復興の基本だと強調しました。
その上で、畠山氏は、「この時期に自治体負担を求めるべきではない」と主張。竹下亘復興大臣は、被災者の生活再建とハード事業の両方が必要と述べながら、「ハードは(震災後)10年の復興期間中に完了させる」と、ことさら公共事業の完了を強調しました。
畠山氏は、宮城県石巻市白浜海岸で断崖を囲むように建設中の巨大防潮堤について質問。建設現場の写真を示しながら、人の住まないところにつくるような「ムダ遣いをしないで、くらしや商売に復興関連予算を回せと思っている被災者が圧倒的だ。この事業に何の効果があるのか再調査すべきだ」と求めました。竹下復興相は、調査の意向を示すとともに、「地元の合意のないものはやらない」と答弁しました。