2015年7月3日(金)
言論弾圧・沖縄侮辱 戦争導く空気だ
沖縄2紙編集局長会見
「民主主義の根幹を否定」
自民党議員が開いた会合に出席した作家の百田尚樹氏から「つぶさないといけない」と名指しで指摘された沖縄2紙(琉球新報、沖縄タイムス)の編集局長が2日、東京都内の日本外国特派員協会でそろって記者会見し、自民党議員や百田氏の発言について「民主主義の根幹である表現の自由、報道の自由を否定する暴論だ」と厳しく批判しました。
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記者会見したのは琉球新報の潮平(しおひら)芳和編集局長と沖縄タイムスの武富和彦編集局長。両氏は6月27日付両紙で、「言論の弾圧許さず」とする共同抗議声明を発表しています。
武富氏は「一番の問題は百田氏の発言を引き出した自民党議員にある」と指摘。知事選など昨年の各選挙で示された「新基地建設反対」という民意・世論を「『ゆがんでいる』とする発言は、県民を愚ろうするものであり、あまりにも無神経な発言だ。憤りを感じる」と批判しました。
また、今回の言論弾圧発言について、「これまで日本国内に漂っていた戦争へとつながりかねない危険な空気が、国民の目や耳に触れる形で表面化したことの意味は大きい」と指摘しました。
潮平氏は「この国の民主主義、表現の自由、言論の自由は危機的な状況にある」と強調。一連の言論弾圧発言を「事実に基づかない暴論であり、断じて許されない」と述べるとともに、「『マスコミを懲らしめる』という発想自体、日本国憲法の尊重、順守義務に反し、二重三重の意味で憲法違反だといえる」と語りました。
また、安倍晋三首相が1日に公明党の山口那津男代表にこの問題で陳謝したことについて、「タイミングと場所を間違っている」「なぜ発覚後すぐに国会で陳謝しなかったのか。反省は二の次なのかという気がする」と述べました。
外国特派員からの質問に答え、武富氏は「『負けるな』という激励の言葉が相次いでいる。現時点で読者の受け止め、県内外の受け止めは、百田氏の意見とは反対の方向に動いている」と答えました。