2015年7月2日(木)
リストラ 漏えい招く
倉林氏 労働者の処遇改善こそ
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日本共産党の倉林明子議員は6月30日の参院経済産業委員会で、不正競争防止法改定案によって、企業の製造技術・販売情報などの営業秘密の漏えいが起きた際、被害企業からの告訴が必要なこれまでの「親告罪」から、被害の告訴がなくても警察による捜査が可能となる「非親告罪」に変えられようとしている問題をただしました。
倉林氏は、営業秘密にかかわる労働者が自分の知らないうちに捜査対象になる危険性があることや、未遂行為まで処罰範囲が及ぶこととなれば、警察権力の解釈によって処罰が恣意(しい)的に拡大する可能性があると指摘。慎重に検討すべきだとの意見が判事や日弁連からもあがっていることを紹介しました。
倉林氏は「営業秘密は企業の財産であり、企業が自らの努力で守ることが基本だ」と強調。「大企業が大規模リストラで労働者を流出させ、自ら営業秘密漏えいのリスクを高めている。経産相も秘密漏えい事件の多くは中途退職者によるものと認めている」と迫りました。
宮沢洋一経産相は「企業自身の対策が大事だ」と答弁。倉林氏は年金情報を流出させた日本年金機構では、非正規雇用化、外部再委託化が進んでいるとして、「営業秘密にかかわる職員を含め、労働者全体の処遇を引き上げることこそ、漏えい防止に有効だ」と主張しました。