2015年7月2日(木)
地方紙 編集局長が次々批判
自民会合発言
戦前の言論弾圧思わせる
自民党議員らの勉強会で言論弾圧の発言が相次いだ問題で、地方紙の編集幹部による批判の論評が続いています。
長崎新聞6月30日付は「言論封殺の策動許すな」と題する今福雅彦編集局長の論評を、1面に掲載。原爆投下翌日の「長崎市に新型爆弾 被害は僅少の見込み」という軍部発表そのままの紙面を紹介し、「原爆の実相とかけ離れた、いわば“虚偽”を伝える当時の紙面を見るたびに、激しく胸が締め付けられる」と痛恨の歴史を回顧。百田氏や自民党議員の発言は「まさに言論封殺の策動といえよう」と断じています。
大分合同新聞1日付も「沖縄の痛みとともに 言論の自由を守れ」と題する清田透編集局長の論評を1面に掲載。戦時中に東条英機首相を激怒させる記事を書いた記者が陸軍から「懲罰召集」を受けた「竹槍(たけやり)事件」に言及し、「マスコミをこらしめる」などの発言は「まさに政権の意に沿わない報道は許さないという、言論の自由を奪った戦前の言論弾圧を思わせる」と批判しています。
主筆兼社長の「緊急声明」を6月28日付1面に掲げた山形新聞は、本紙の取材に「いかなる勢力、団体であろうとも、言論の自由、報道の自由を脅かすのであれば、今回同様に対抗していく」(深山洋編集局長)との強い決意(詳報)を示しました。