2015年6月30日(火)
言論弾圧・沖縄侮辱 抗議・怒り広がる
誰が“世界一危険”にしたか 赤嶺議員が追及
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「米軍が生活の場を一方的に奪ってつくられたのが普天間基地だ」―。日本共産党の赤嶺政賢議員は29日の衆院安保法制特別委員会で、米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)は「田んぼの中にあり、周りに何もなかった。商売になるということで人が住みだした」などとした作家・百田尚樹氏の暴言(25日、自民党内の会合)の誤りを、基地形成史を解き明かしてただしました。
普天間基地は、人口9万人の宜野湾市のど真ん中にあり、「世界一危険な基地」とされています。70年前の沖縄戦で米軍が住民の生活する土地を強奪してつくられました。
百田発言について問われた菅義偉官房長官は、「民間人の発言についてコメントしない」とした上で、「普天間基地は米軍が民公有地を接収して建設されたもの」と答弁。さらに中谷元・防衛相は「宜野湾市によると、(接収された土地には)役場や学校があった」と述べました。
赤嶺氏は、「そこには五つの集落があった。米軍が住民を収容所に入れている間に生活の場を一方的に奪って基地がつくられた。だから住民は基地の周辺に住むほかなかった」と指摘。「商売目的で住むようになったというのは事実をねじ曲げ、県民を侮辱するもの以外の何物でもない」と批判しました。
赤嶺氏は、「周りにどんどん家が増えてきた」(麻生太郎外相、2005年)など、政府や米軍関係者が「危険な基地」になった責任は住民の側にあるとの主張を繰り返してきたことを指摘。菅長官は「大事なのは世界一危険な普天間基地の危険除去だ」などと、あくまで普天間「移設」=名護市辺野古への新基地建設に固執する姿勢を示しました。
赤嶺氏は、市街地が形成された後に、海兵航空団やヘリ部隊が移駐するなど、同基地の本格的な運用が始まった経過を指摘した上で、「誰が世界一危険にしたのか。誰が市街地の真ん中につくったのか。日米両政府ではないか。(新基地建設は普天間)基地の形成過程から再検討すべきだ」と迫り、新基地建設の断念を求めました。