2015年6月27日(土)
「違憲」の給油 訓練で先取り
塩川議員が実態を示す
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日本共産党の塩川鉄也衆院議員は26日の質問の中で、2010年に改定された「空中給油訓練に関する航空自衛隊と太平洋空軍との間の了解事項に関する覚書」を取り上げ、「違憲」の給油活動が日米共同訓練を突破口に、先取りで能力化・制度化されてきた実態を示しました。
自衛隊の空中給油機KC767の配備(愛知県・小牧基地)は2007年度から始まり、部隊運用は10年度から。導入にあたり政府は、「日本の防空のため」であり、専守防衛に反しないと強調してきました。
しかし、戦争法案による、戦闘作戦行動に向かう他国軍の戦闘機や爆撃機への空中給油の解禁は、導入時の説明を根本から覆すものです。(図)
「覚書」は04年に「訓練のため」との名目で日米間の給油手順を取り決め、10年の改定で自衛隊側からの給油も可能になりました。この改定について防衛省は「自衛隊が運用体制を整えたことから締結した」(深山延暁運用企画局長)と述べ、給油機部隊が当初から米軍支援を念頭に編成されたことを示唆しました。
この「覚書」は、日米間の給油訓練を北大西洋条約機構(NATO)が定める空中給油手順書(ATP56)に従って実施すると明記しています。
ATP56とは、湾岸戦争(1991年)やアフガニスタン戦争(2001年)で各国の給油手順がバラバラだった経験を踏まえ、同盟国間の統一化を図ったものとされ、日米同盟の軍事協力水準をNATO並みまで引き上げたい米戦略の狙いを露骨に示しています。
塩川氏の質問で、ATP56の「日本側の手続きは終了」(深山局長)しており、自衛隊が事実上、多国籍軍の一員に組み込まれていることも明らかになりました。戦争法案は「実態に法律をあわせるもの」(塩川氏)に他なりません。
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