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2015年6月24日(水)

沖縄戦70年式典

戦争法案と新基地推進

安倍首相に県民の怒り

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 「帰れ!」「何しにきた!」。23日正午すぎ、沖縄県糸満市の平和祈念公園で開かれた戦後70年沖縄全戦没者追悼式。あいさつに立った安倍晋三首相は、出席者から次々と罵声を浴びせられました。

 「平和宣言」を読み上げる翁長雄志知事には絶え間ない拍手と声援。首相は名護市辺野古の新基地建設強行に対する県民の生々しい怒りにふれることになりました。

 首相はあいさつで「辺野古」に言及せず、国会審議に関わる発言もありませんでした。戦争法案に関わる国会審議に影響を及ぼさないよう、計算を働かせたとみられます。

 ただ、その言葉はあまりにも空疎でした。

 首相は70年前の沖縄戦で20万人もの人命が失われたことに言及した上で、こう言いました。「この70年間戦争を憎み、ひたすら平和の道を歩んできた私たちの歩みに誇りを持ち、これからも世界平和の確立のため、不断の努力を行っていかなければならない」

 平和国家・日本の象徴である憲法9条を根底から破壊し、米国とともに海外で武力行使する国にする戦争法案を押し通そうとするために、国会の会期95日延長を議決した翌日です。驚くべき二枚舌と言わざるをえません。

 首相は続けて、こう言いました。「この3月に西普天間住宅地区の返還が実現した。今後も沖縄の負担軽減に全力をつくしていく」

 県民の8割以上が反対する新基地建設を強行しておいて、「負担軽減」など口にする資格もありません。

 付言すれば、西普天間住宅地区を含む「嘉手納基地より南」の基地が整理・縮小されても、「米軍専用施設面積の全国に占める割合はわずか0・7%しか縮小されず、返還時期も含め、基地負担の軽減とはほど遠い」―。首相の前に翁長知事が読み上げた「平和宣言」で指摘されています。

 戦争法案と基地強化の両面で進む安倍政権による「戦争する国」づくりと、悲惨な沖縄戦を経て平和を希求する「沖縄の心」は、根本的に相いれません。この点を理解しない安倍首相の姿勢は、県民の怒りをさらに広げることになるでしょう。 (竹下岳)


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