2015年6月20日(土)
派遣への置き換え進む
派遣法改悪案 堀内議員批判 正社員化 保証なし
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日本共産党の堀内照文議員は19日の衆院厚生労働委員会で、労働者派遣法改悪案について安倍晋三首相に質問し、「正社員から派遣労働者に置き換える『常用代替』が進む。廃案にするしかない」と主張しました。
堀内氏は、「現行法では業務単位の期間制限があり、そこでその後雇用される労働者は必ず直接雇用でなければならない」と指摘。ところが改悪案では業務単位の期間制限がなくなるため、「期間制限が過ぎれば必ず直接雇用されなければならない仕組みがなくなる」と強調し、「正社員化どころか生涯派遣に道を開くものだ。そうでないなら根拠を示せ」と迫りました。
安倍首相は、正社員募集の情報提供など実効性のない「雇用安定措置」を挙げるだけで、「雇用の安定は現行より強化される」と強弁。堀内氏が「必ず直接雇用されるといえるのか」と迫ると、塩崎恭久厚労相は「最終的には雇用主が判断することだ」とのべ、正社員化の保証がないことを認めました。
堀内氏は、半導体大手ルネサスエレクトロニクスで早期退職に追い込まれた課長級社員が派遣社員として戻ってきている実態を示し、「すでに正社員から派遣への置き換えが進んでいる」と強調。「正社員化の道どころか派遣労働者が増えることは明らかだ。法案に『雇用慣行が損なわれる場合』の再検討規定を盛り込んだのも、それを懸念しているからだ。労働者保護とかけ離れた法案は廃案しかない」とのべました。