2015年6月17日(水)
日銀ゼロ金利 家計から376兆円奪う
23年間の利子 企業に所得移転
大企業は金余り 大門氏追及
日本銀行の「異次元緩和」とゼロ金利の継続は、家計から利子収入を奪い、大企業には「金余り」をもたらしている―。日本共産党の大門実紀史議員は16日、参院財政金融委員会で、日銀の異常な金融政策をただしました。
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大門氏が指摘したのは、ゼロ金利の継続の結果、家計から企業への所得移転が進んだという点です。日銀の提出資料によると、1991年の金利水準が2013年まで続いた場合、家計が受け取ったはずの利子は年間16・3兆円です。ゼロ金利政策によって、家計は23年間で376兆円の所得が奪われた計算になります。一方、企業部門は年間23・5兆円、23年間で541兆円の利子を払わなくて済んだ計算になります。
大企業は、この利子負担の軽減にも助けられ、285兆円もの内部留保をため込んでいます。現金など手元にあってすぐに使える資金(手元流動性)の推移を見ると、日本の大企業は先進国の中でも顕著に増やしています。
日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁は、企業が内部留保や手元資金を増大させていることを認めたうえで、一部の賃上げの例をあげ、「前向きの動きが見えてきている」と答弁。
大門氏は「日銀の異常な量的緩和・ゼロ金利政策が結果として、大企業の金余りに拍車をかける一方で、家計から利子収入を奪い、消費を冷え込ませてきたことを受け止めるべきだ」と批判しました。