2015年6月17日(水)
TPA関連法案 米下院が採決延期
広がる反対 説得困難と判断
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【ワシントン=洞口昇幸】環太平洋連携協定(TPP)妥結のためにオバマ米政権が求めている大統領貿易促進権限(TPA)の関連法案について15日、米下院で多数を占める野党の共和党指導部は、目指していた16日の再採決を延期し、最長で7月末までの審議にする方針を決めました。米メディアなどが報じています。
労働組合や環境団体、市民らによるTPP・TPA反対運動の広がりを背景に、TPA反対の姿勢を取る多くの与党の民主党議員を、短期間で説得することは困難と判断したためといわれています。
定数435の下院は12日に議会が持つ通商権限を大統領に条件付きでゆだねるTPA法案の採決を行い、賛成219、反対211で可決。一方で、関連の貿易調整支援制度(TAA)法案は賛成126、反対302で否決されました。
TAA法案が可決されなければ、TPA法案が成立できない仕組みのため、TPA法案は事実上否決。そのため、オバマ政権や下院の共和党指導部はTAA法案の迅速な再採決を目指していました。上院は先月にTPA法案を可決しています。
15日にも、議員会館の周りで市民らは、横断幕を掲げて太鼓やラッパを鳴らし、「ノーTPP! ノーTPA!」とシュプレヒコールを上げながら行進しました。