2015年6月14日(日)
憲法違反の戦争法案を必ず葬り去ろう
「STOP安倍政権! 6・13大集会」 志位委員長の情勢報告
日本共産党の志位和夫委員長が13日の「STOP安倍政権! 6・13大集会」(東京都江東区)で行った情勢報告は次の通りです。
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みなさん、こんにちは(「こんにちは」の声)。日本共産党を代表して心からの連帯のあいさつを送ります。(拍手)
私は、この間、国会で安倍首相と戦争法案の問題点について、突っ込んで論戦してまいりました。
戦争法案の、憲法9条を破壊する三つの大問題が浮き彫りになってきたと思います。
「戦闘地域」での「後方支援」=兵站は、憲法違反の武力行使に道を開く
第一は、米国が、世界のどこであれ、アフガニスタン戦争、イラク戦争のような戦争に乗り出したさいに、自衛隊がこれまで「戦闘地域」とされてきた場所にまで行って、弾薬の補給、武器の輸送などの「後方支援」=兵站(へいたん)を行うようになることです。
私は、一つひとつ安倍首相にただしていきました。「『戦闘地域』まで行けば自衛隊が相手から攻撃されることになりますね」。首相は「その可能性はある」と認めました。さらに私は、「攻撃されたら、自衛隊は武器の使用をすることになりますね」とただしました。首相はしぶしぶ、「武器の使用をする」と認めました。
そこで私は、「自衛隊が武器の使用をすれば、相手はさらに反撃し、まさに戦闘をすることになるではありませんか」とただしました。これに対して首相は、戦闘になる、武力行使になるとは、かたくなに認めようとはしませんでした。それを認めた瞬間に、この法案は憲法違反となり、廃案になってしまうからです。
しかしみなさん、「武器の使用」といいますが、イラクのサマワに自衛隊が持っていった「武器」とはどんなものでしょうか。政府は、私の質問への答弁で、110ミリ対戦車弾、84ミリ無反動砲、12・7ミリ重機関銃などを持っていったことを初めて認めました。文字通りの重装備ではありませんか(「そうだ」の声)。「人道復興支援」といわれた活動でもこれだけの武器を持っていったのです。「戦闘地域」での「後方支援」=兵站となれば、さらに強力な武器を持っていくことになります。そうした武器を使ってたたかう、これが戦闘でなくて何なのでしょうか。憲法9条が禁止した武力行使そのものではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)
さらに質疑のなかで政府は、アフガン・イラク戦争に派兵された自衛隊員のうち、帰国後54人が自ら命を絶っているという重大な事実を明らかにしました。恐怖と不安から、多くの自衛隊員が心の不調を訴え、自ら命を絶っているのであります。
私は心から訴えたい。戦争で真っ先に犠牲にされるのは、未来ある若者です。若者を戦場に送り、「殺し、殺される」戦闘をさせるわけには、絶対にいきません。(「そうだ」の声、拍手)
ISAF型の治安活動への参加――「殺し、殺される」戦闘となる危険
第二に、PKO法改定というのが大変なくせものなのです。形式上「停戦合意」がされているが、なお戦乱が続いているところに、自衛隊を派兵して治安活動をさせるという仕掛けが、新たに盛り込まれているからです。
私は首相にただしました。こうした法改定が行われれば、2001年から14年まで、アフガニスタンに展開した国際治安支援部隊=ISAFのような活動に自衛隊が参加することが可能になるのではないか。首相は、なかなか認めませんでしたが、結局、ISAF型の活動への参加を否定しませんでした。
これは、きわめて重大です。ISAFは、米軍主導の「対テロ」掃討作戦と混然一体となり、13年間で約3500人も戦死者を出しているからであります。そして、ISAFの活動そのものは昨年12月で終了していますが、それを引き継ぐ形で開始されたアフガンの治安維持部隊を支援するRS任務(「確固たる支援」任務)と呼ばれている活動には、いまなお42カ国、1万3000人以上が参加しているからであります。
この法案が成立すれば、米国はアフガニスタンのRS任務への自衛隊の参加を求めてくるかもしれません。そのときに拒否できるでしょうか。できるわけがありません。ここに、憲法9条をふみにじって、自衛隊を「殺し、殺される」戦闘に参加させる、もう一つの危険な道がある、現実的な危険があるということを、私は強く告発したいと思うのであります。(拍手)
米国の無法な戦争への参戦――ここにこそ集団的自衛権行使の一番の危険が
そして、第三は、これまでの政府の憲法解釈を根底から覆し、日本がどこからも攻撃されていないのに、集団的自衛権を発動して、アメリカの戦争に自衛隊が参戦し、海外での武力の行使を行うことになるということです。
私は、「米国が先制攻撃の戦争を行った場合でも、集団的自衛権を発動するのか」と首相にただしました。首相は、「違法な武力行使をした国を日本が支援することはありません」。首相が一見、“殊勝”にみえる答弁をしたのです。(笑い)
しかし、問題は、日本政府が、米国の違法な武力行使を「違法」と批判できるのか、ということにあります。戦後、アメリカは、ベトナム侵略戦争、イラク侵略戦争をはじめ、国連憲章と国際法を踏みにじって、数多くの先制攻撃戦争を実行してきました。しかし、私の質問に対して首相が答弁で認めたように、日本政府は、戦後、ただの一度も米国の戦争を「違法」として反対したことはないのです。こんな異常なアメリカいいなりの政府は、主要国のなかでも日本だけといわなければなりません。(「そうだ」の声、拍手)
ただの一度も「違法」と批判してこなかった日本政府が、「違法な武力行使をした国を支援することはない」といって、いったい誰が信用するか。米国が先制攻撃の戦争に乗り出しても、違法な戦争と批判できず、言われるままに集団的自衛権を発動することになることは、火を見るよりも明らかではないでしょうか。(拍手)
米国の無法な先制攻撃の戦争への参戦――ここにこそ集団的自衛権行使の一番の危険があります。日本を無法国家の仲間入りをさせては断じてならないということを、私は訴えたいと思います。(拍手)
国民の世論と運動が安倍政権を追い詰めている
みなさん、国民の世論と運動が、安倍政権を追い詰めています。
先日の衆院憲法審査会では、参考人となった3人のすべての憲法学者から、安保法案は「憲法違反」との批判が述べられました。菅官房長官は、悔し紛れに「合憲という著名な憲法学者もいっぱいいる」と述べましたが、「いっぱい」というが名前をあげよとただされて、たった3人の名前しか挙げられなかった(笑い)。そうしますと今度は、「数の問題ではありません」(笑い)。むちゃくちゃですね。99%の憲法学者が違憲だといっている。
昨日、与党は、労働者派遣法大改悪法案の(衆院厚生労働)委員会採決を強行しようとしましたが、世論と運動が広がり、それに押されて、採決強行ができなかったということも、報告しておきたいと思います。(拍手)
みなさん、たたかいはこれからです。あらゆる分野で、安倍政権暴走ストップのたたかいを広げに広げ、それを一つに合流させて、安倍政権を打ち倒そうではありませんか(「そうだ」の声、拍手)。憲法違反の戦争法案を必ず葬り去ろうではありませんか(「そうだ」の声、大きな拍手)。私たちも最後までともに頑張ることをお誓いして、ごあいさつといたします。頑張りましょう。(大きな拍手)