2015年6月11日(木)
9条踏みにじる施策のための組織改編認められない
防衛省設置法改定成立 井上氏が批判
参院本会議
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防衛装備庁の新設や「文官統制」の廃止を盛り込んだ防衛省設置法改定案が10日の参院本会議で自民、公明、維新などの賛成多数で可決、成立しました。日本共産党の井上哲士議員が反対討論に立ち、「憲法9条の平和主義を踏みにじる施策のための組織改編に血道を上げることは、到底認められない」と厳しく批判しました。
井上氏は、安倍政権が武器の輸出や国際共同開発への参画を加速させるもとで、「新設される『防衛装備庁』は、軍需産業の要求に応え、官民が一体となって、これらをいっそう推進するものだ」と指摘しました。
また、防衛省内で文官を自衛官より上位に置いてきた「文官統制」を廃止することについて、「自衛隊の意向をより迅速かつ直接に反映させる仕組みをつくることで、米国の戦争に直ちに協力できる機構をつくるものだ。米国が起こす戦争に自衛隊が支援、参加するための日米新ガイドラインや安保関連法制と一体の体制づくりであり、断じて容認できない」と指弾しました。
そのうえで井上氏は、防衛省の組織改編のあり方をめぐって、収賄や談合、天下りなど防衛省・自衛隊と軍需産業との数々の癒着構造に言及し、「ここにこそメスを入れるべきだ」と強調しました。
防衛調達上位10社の自民党に対する献金が倍増していることにふれ、「財界の要求に応え、武器輸出推進への転換、防衛予算増額を決めた見返りにしか見えない。この体たらくでは防衛省・自衛隊の体質をただせない。断固廃案にすべきだ」と厳しく指摘しました。