2015年6月11日(木)
「憲法を法案に適用」
防衛相が答弁撤回
中谷元・防衛相は10日の衆院安保法制特別委員会で、批判が集中していた5日の答弁、「現在の憲法をいかにこの(安保)法案に適用させていけばよいのかという議論を踏まえて閣議決定をおこなった」との発言(同委員会)を撤回しました。
同答弁について民主党の辻元清美議員が「法案を憲法に適応させるべきなのであり、立憲主義を自ら否定している」とただしたもの。中谷防衛相は「発言の趣旨を正確に伝えられなかったということで、撤回をさせていただく」と述べました。5日の“中谷答弁”に対しては、多くの国民や憲法学者から「憲法をないがしろにする」との批判をあび、撤回に追い込まれました。ただ憲法軽視の安倍政権の姿勢は何も変わっていません。
72年政府見解の「変更」
法制局長官「自分の代から」
横畠裕介・内閣法制局長官は10日の衆院安保法制特別委員会で、集団的自衛権の行使を憲法上許されないと結論付けた“1972年の政府見解”をめぐり、集団的自衛権の行使を容認する「基本論理」を含むとする見方が示されたのは、昨年の「閣議決定」(7月1日)が初めてという認識を示しました。(民主党の辻元清美議員への答弁)
“国民の生命・権利が根底から覆される明白な危険が生じた場合に武力の行使ができる”(新3要件)との部分を「基本論理」として、集団的自衛権行使を禁止する結論を情勢の変化の中で変えてもよいとする政府見解はいつからかと問われ、「昨年の閣議決定の際。そのときの長官は私だ」と述べました。
安倍政権は、新3要件について「従来の政府解釈の範囲内」と強弁していますが、従来の政府見解との「切断」を示すもので重大です。