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2015年6月10日(水)

きょうの潮流

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 桐(きり)の木は成長が早くて葉も大きい。すくすく育っていく若木に、戦争に奪われた息子たちの姿を重ね、無事を祈る母親。公開中の映画「おかあさんの木」です▼「あの木を切ってはならん」。老女の回想から始まる悲話。小さな村で貧しいながらも幸せな日々を送っていた母親を戦争の嵐が襲います。次々と召集され、戦死していく7人の息子。ついに抑えていた感情が爆発します▼五郎が出征する場面。募っていた苦悩や悲しみがあふれ出て、見送りのホームで息子の足元にすがりつく母。その姿に「非国民」とののしり、足蹴(あしげ)にする憲兵。戦争の愚かさや理不尽さが際立ちます▼戦時の母を演じた鈴木京香さんは「戦争の悲惨さはもちろん、母親の愛の強さ、あの時代を必死に生きた女性の姿を伝えたい」と。手柄なんかたてなくてもいい、死んだらいけない、生きて帰ってこい―。桐の木に正直な気持ちを語りかける母の思いを胸に▼原作は国語の教科書に掲載されてきた大川悦生(えっせい)さんの同名の児童文学。京香さんは今の子に戦争について考えてほしいと、みずからの発案で各地の小学校をめぐり、原作の読み聞かせをつづけました▼「学校で勉強したり、友だちと遊んだり…。その何気ない毎日が平和なんだと思う」。ときの政府によって、ふたたび若者が戦地に送られようとしているいま、それを阻止するためにも、たくさんの人々の目にふれてほしい。


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