2015年6月10日(水)
民間専用化で安全守れ
那覇空港重大トラブル 穀田氏が迫る
「自衛隊機に一義的原因」 防衛省認める
軍民共用の那覇空港(沖縄県)で自衛隊機と離着陸中の民間機2機(全日空・日本トランスオーシャン航空)が衝突しかねない重大トラブルを起こした問題(3日)で、日本共産党の穀田恵二議員は9日の衆院国土交通委員会で、空港の民間専用化を求め続ける沖縄県民の声に応えるべきだと主張しました。
衆院国交委
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同事案は、離陸のため滑走路を走行中の全日空機の前を自衛隊機CH47ヘリコプターが管制官の許可なく横切ったため全日空機は離陸を中止。さらに全日空機が滑走路を離れないうちに、後ろから日本トランスオーシャン航空機が着陸してきたという二重の接近事案です。
穀田氏は、那覇空港の滑走路の過密状態と自衛隊との共用により、「起こるべくして起きたトラブルだ」と指摘。原田憲治防衛政務官は、「一義的原因は、自衛隊ヘリが(全日空機の)離陸許可を自分にあてられたものと勘違いし、離陸動作に移ったということにある」と認めました。
国交省の田村明比古航空局長は、那覇空港における自衛隊機が原因の滑走路閉鎖件数について「自衛隊機単独での事故等を網羅的に把握していない」と答弁。2013年以降は1件しかないと強調しました。
穀田氏は、自衛隊機のパンクなどによる滑走路閉鎖が10〜12年に3年連続で起きていることを示し(表)、「管轄の空港で国交省が事故全体を『把握していない』など、そんないいかげんな話は駄目だ。空港の安全をつかさどるのが国交省の役割だ」と指摘しました。
さらに穀田氏は、沖縄復帰時に民間空港として出発しながら、半年後に軍民共用となった那覇空港の歴史にふれながら、那覇市議会が計12回も空港の民間専用化を求める意見書を可決、今回のトラブルで13回目の意見書まで議論されていることを紹介。「県民の切実な願いに今こそ応えるべきだ」と求めました。
太田昭宏国交相は「安全保障上の観点から現段階では困難だ」としつつ、トラブルについて「よく検証し、必要な対策を講ずることが重要だ」と答えました。
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