2015年6月7日(日)
きょうの潮流
「えー、それはそれで一理あるというか…」。4日の衆院憲法審査会。3人の参考人全員が戦争法案を「違憲」と断じたことで、自民党の船田元筆頭幹事はしどろもどろになりました▼とりわけ打撃になったのは、与党推薦の長谷部恭男・早稲田大教授が、集団的自衛権の行使容認について「従来の政府見解の基本的な論理の枠内では説明がつかないし、法的な安定性を大きく揺るがすものだ」と述べたことです▼法案の法的な正当性を根本から否定する発言として、野党は翌5日の衆院安保法制特別委員会で繰り返し取り上げて追及しました。一方、与党内からは「人選ミスだ」との声が聞こえてきます。たまたま都合の悪い人を選んでしまったと▼菅義偉官房長官は記者会見で、「全く違憲でないという著名な憲法学者もたくさんいる」とまで言いました。「たくさん、って、誰?」。若手弁護士で構成される「明日の自由を守る若手弁護士の会」のホームページを見ると、面白い記述がありました。会のメンバーが調べたそうです▼「安保関連法案に反対する憲法研究者の声明」の呼びかけ人・賛同者などを数えると、「違憲」と考えている人は189人。一方、「合憲」と明言している人は「ツチノコを探すより難しい」。ようやく3人を見つけましたが、この人たちは安倍晋三首相の「お友達」と言われている人たちです▼そう、決して「人選ミス」ではありません。限られた「お友達」を呼ばない限り、日本の憲法学者の結論は同じなのです。