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2015年6月5日(金)

きょうの潮流

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 3年前、わずか16カ国の賛同で始まった声明は10倍にひろがりました。核兵器の非人道性を告発し、使用禁止と廃絶を訴える共同声明です▼先月閉幕した核不拡散条約再検討会議。最終文書は採択できませんでしたが、核保有国を圧倒的多数の国々が追いつめました。「人間が人間として生きていくためには地球上に一発たりとも核兵器を残してはならない」。被爆者の谷口稜曄(すみてる)さんは世界に呼びかけました▼核廃絶の太い流れをつくってきた無数の声。20世紀を疾走した米国の画家ベン・シャーンもその一人でした。第五福竜丸をテーマにした「ラッキードラゴン」シリーズ。独特のふるえる線からは描くものへの怒りや悲しみが直接伝わってきます▼元NHKのディレクターで『ベン・シャーンを追いかけて』を著した永田浩三さんは、彼はこのテーマを「画家人生の中心課題として描いた」といっています。そして「人類全体に及ぼす影響を世の中に広く伝える使命を感じていた」と▼日本とも深くかかわったシャーンの展覧会がいま茨城県の近代美術館で開かれています。ユダヤ人として生まれ、権力や傲慢(ごうまん)にはつねに批判の目を向け、貧しくてもたくましく生きる人たちを優しく見つめる。「わたしは人間の芸術家だ」と、社会に向き合いつづけました▼芸術家は、普通のひとが生きていくうえでの新しいイメージや意味、なにより価値を提供するもの。そう話していた抵抗の画家が生きていれば、いまの世界や日本をどう描いただろうか。


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