2015年6月4日(木)
全公害被害者救済を
訴訟原告ら 環境相に解決訴え
総行動 交渉・デモ・集会 多彩に
「なくせ公害・守ろう地球環境」をスローガンにした「第40回全国公害被害者総行動」が3日、東京都内で始まりました。4日まで。全国から公害被害者や家族らが参加し、省庁交渉やデモ行進、決起集会など多彩な行動で、すべての公害被害者の救済と公害の根絶を訴えました。
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環境省との交渉では、大気汚染やアスベストなどの被害者団体の人たちが望月義夫環境相に思いのたけをぶつけました。
「ノーモア・ミナマタ第2次新潟全被害者救済訴訟」の原告、吉田桂子さん(79)もその一人です。昭和電工が阿賀野川に排出したメチル水銀を含んだ魚介をかつて日常的に食べていました。20歳代から口の震え、手のしびれ、手足の筋肉異常に苦しんできましたが、今も水俣病と認定されていません。書道が得意だった吉田さんの字はいま、「人が読めない」といいます。「こんな体にした水俣病を恨みます。健康な体に戻すことができないのならば、せめて水俣病と認めて」と涙で声を詰まらせながら、謝罪と救済を求めました。
福島原発避難者訴訟の原告、小川貴永さん(45)は「最大最悪の公害」である原発被害の救済を訴えました。福島県双葉町から郡山市の仮設住宅に避難し5年目を迎えるという小川さん。長引く避難生活で家族や周りの人たちが次々と亡くなり、多くの避難者が「暗たんたる気持ち」で日々を送っていると語りました。「朽ち果て腐臭を放つ、わが家に、賠償のための証拠写真を撮りに行く気持ちがわかりますか。血の通った話し合いをしてください」と話しました。
望月環境相は「みなさんの大変な苦労、重く受け止めたい。公害による健康被害を繰り返さないため、しっかりと取り組んでいく」と述べました。
交渉では、公害根絶を求める署名5万8526人分を望月環境相に手渡しました。