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2015年6月4日(木)

徹底批判! 戦争法案

ISAF(国際治安支援部隊)型への派兵 否定しない首相

アフガン派兵が現実となる恐れ

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 形式上は「停戦合意」が存在しても、戦乱が続く国に自衛隊を派兵するのか―。戦争法案の重大論点の一つです。

 日本共産党の志位和夫委員長は5月28日の衆院安保法制特別委員会で、アフガニスタンで治安維持活動などを行ってきたISAF(国際治安支援部隊)のような活動に自衛隊を参加するのかとただしました。安倍晋三首相は否定しませんでした。志位氏は「きわめて重大だ」と指摘します。それは、戦争法案によって、アフガン派兵が現実のものになりかねないからです。

治安維持のはずが

 2001年9月の米同時多発テロを受け、米国は「対テロ」戦争=「不朽の自由」作戦(OEF)を開始してタリバン政権をせん滅しました。

 同年12月、国連安保理決議1386に基づき、ISAFが活動を開始。NATO(北大西洋条約機構)が指揮を執り、治安維持任務などを行ってきました。しかし、米軍主導のOEFとこん然一体になり、戦闘に巻き込まれて約3500人もの戦死者が出ました。

 米軍やNATO軍は戦況悪化に伴う泥沼から抜け出そうと、14年末にいったん、活動に区切りをつけます。

 安倍首相は「ISAFはすでに活動を終了しており、新たな基準に基づいて再評価を行うことは困難」と答弁しています。しかし、過去の問題ではありません。

 米軍はOEFを「自由の見張り」作戦(OFS)に切り替えて現在も継続。NATOも昨年12月の国連安保理決議2189に基づき、アフガン軍の訓練・支援を行う「確固たる支援任務」(RSM)を開始しました(表1)。2月末現在で40カ国・約1万3千人が派兵し、すでに戦死者が出ています。(表2)

 戦争法案では、PKO(国連平和維持活動)法を改定して「非国連統括」型の活動への参加に道を開きます。安保理決議に基づいているが、国連主導ではない―。ISAFやRSMは、これに該当します。

過去にも米が打診

 実は、米国は07年から08年にかけて、日本にもアフガン派兵を打診。当時の自公政権はISAFの一部であるPRT(地方復興チーム)への参加を具体的に検討しましたが、衆参「ねじれ国会」で厳しい状況に追い込まれ、見送りました。戦争法案がなくても米国の要求に基づいてISAF参加を具体的に検討していたのですから、再び米国からアフガン派兵を要求されれば、今度はいよいよ断れなくなります。

多数の死傷者生む

 アフガンでは武装勢力タリバンが勢力を拡大し、戦闘が激化。UNAMA(国連アフガニスタン支援団)によれば、今年1月〜3月の民間人死傷者は1810人に上りました。

 一方、アフガン軍支援のRSMに徹しているNATO軍も首都カブールで2月26日、兵士1人が銃撃で戦死。米軍は約6800人を派兵し、「対テロ」作戦とアフガン軍支援を兼務しています。4月8日、東部ジャララバードで警護任務中に銃撃を受け、陸軍兵士1人が戦死しました。まだ22歳でした。 (竹下岳)

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