2015年6月3日(水)
正社員への道閉ざす
派遣法改悪案 参考人、廃案を要求
衆院厚労委 堀内氏が質問
衆院厚生労働委員会は2日、労働者派遣法改悪案をめぐって2回目の参考人質疑を行いました。
意見陳述したJMIU(全日本金属情報機器労働組合)の生熊茂実委員長は、「これ以上、非正規雇用を増やしてはならない」と強調。改悪案は臨時的・一時的業務に限るという考え方を転換するものであり、「正社員は激減し、派遣労働者は正社員になる道を閉ざされる」とのべました。
トヨタの関連子会社・光洋シーリングテクノで、偽装請負とたたかい、3年の期間制限などもあるなかで、当時の派遣労働者全員が正社員になることができたと強調。改悪案は廃案にし、「派遣労働の実態にもとづいた抜本的改正を」と語りました。
元派遣労働者の廣瀬明美さんは、専門業務と偽って違法に働かされてきた実態を告発。改悪案は「派遣の固定化につながるものであり、正社員が派遣に置き換えられる」とのべました。
質問にたった日本共産党の堀内照文議員は、政府がキャリアアップや雇用安定措置により「正社員化」をはかると主張していることについて質問。生熊氏は、「3年たって業務を継続するなら、正社員化しなければならない。キャリアアップするだけで自動的に正社員化がすすむものではない」と語りました。
堀内氏は、「派遣という不安定な雇用をさせない担保こそ必要だと思うがどうか」と聞きました。生熊氏は、「現行法の期間制限は、3年を超えて働かせる場合、直接雇用にしなさいというのが、基本の考え方だ。期間制限は、常用代替を防止する重要な担保だ」とのべました。