2015年5月30日(土)
米TPA法案 賛成議員に多額献金
TPP推進企業から1.4億円
英紙報道
【ワシントン=洞口昇幸】環太平洋連携協定(TPP)妥結のためのTPA(貿易促進権限)法案が米上院で可決されたことに関連して、英紙ガーディアン(電子版)は27日、TPP推進の米大企業が今年1〜3月、賛成派議員に計114万8971ドル(約1億4247万円)を献金していたと報じました。
TPAは議会が持つ通商権限を条件付きで大統領にゆだねるもの。議席数100の上院は同法案の審議入り動議を14日に65対33で採択し、22日に法案を可決しました。下院の審議は6月からとされています。
同紙は、献金した企業が全て約150の米大企業・団体でつくる圧力団体「TPPを支持する米国企業連合」に加わっていると指摘。審議入り動議に賛成した65議員への献金額は平均で1万7676・48ドル(約219万円)。来年の上院選挙で再選を目指す議員に絞ると平均額は劇的に高くなると述べています。
反汚職を掲げる米団体「リプリゼント・アス」の広報担当者は同紙に「議員らはどの特定利益集団を満足させれば、再選に向けた資金や将来のロビイストの職を得られるか、よく理解している」と解説。「この種の明白な不正行為が合法である限り、われわれは真に国民を代表する政府を持たない」と述べています。