2015年5月30日(土)
完全失業率3.3%に低下した陰で
非正規への置き換え進む
有効求人倍率 正社員は0・72倍たらず
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総務省が29日発表した労働力調査(季節調整値)によると、4月の完全失業率は3・3%でした。前月比0・1ポイント低下しました。
完全失業者数は2万人減の219万人。このうち、勤務先や事業の都合による完全失業者数は4万人減の40万人となりました。就業者数は28万人減の6338万人。働く意思がない人や病気で就業できない人などを合わせた非労働力人口は、35万人増の4519万人でした。
雇用形態別の雇用者数(原数値)では、正社員が6万人増えた一方、非正規雇用の労働者は30万人増の1939万人。労働者に占める非正規の比率は37・1%と高い水準です。特に男性では正社員が30万人減り、非正規は29万人増。正社員を非正規で置き換える動きが続いています。
厚生労働省が同日発表した4月の全国の有効求人倍率(季節調整値)は、前月比0・02ポイント上昇の1・17倍でした。正社員の有効求人倍率は0・72倍で、求人が求職者数に満たない状況が続いています。
新規求人が増えた産業は、相対的に賃金水準が低い教育・学習支援業(9・2%増)、医療・福祉(7・7%増)、生活関連サービス業・娯楽業(6・5%増)など。サービス業(7・4%減)、運輸業・郵便業(6・6%減)、建設業(5・3%減)などで新規求人が減りました。製造業は0・8%減でした。