2015年5月30日(土)
口永良部島 全島避難
鹿児島 爆発的噴火
気象庁は29日、鹿児島県屋久島町・口永良部島(くちのええらぶじま)の新岳で、同日午前9時59分に爆発的噴火が発生し、火砕流が新岳火口の南西側から北西側(向江浜地区)方向の海岸まで達したと発表しました。噴煙は火口上空9000メートル以上まで上がり、火口周辺に噴石が飛散。同町は噴火を受け、同日午前10時20分に全島避難を指示。同日夕には、船舶などで住民ら137人が近くの屋久島に避難しました。
火山活動 急激に変化も
口永良部島新岳の噴火は、昨年9月に御嶽山(長野、岐阜両県境)が噴火した後、阿蘇山(熊本県)や蔵王山(山形、宮城両県境)、箱根山(神奈川県)などで火山活動が活発化する中で起こりました。これらの火山は、いずれも気象庁が24時間体制で常時監視している47火山に属しています。
口永良部島新岳は、昨年8月、1980年以来、34年ぶりとなる噴火が確認され、警戒レベルが1から3に引き上げられていました。しかし、「ここ数日の間で火山性地震が目立って増加していたわけではなかった」(武尾実・東京大学地震研究所火山噴火予知研究センター教授)といいます。
御嶽山も、噴火直前まで警戒レベルは1でした。口永良部島新岳はレベル3に引き上げられていましたが、火山の活動は急激に変動することがありうることをあらためて示したといえます。
口永良部島新岳の噴火は、黒い噴煙が高く立ち昇ったことなどから、火山からマグマ自体が噴き出す「マグマ噴火」だったとみられています。一方、御嶽山の噴火は火山の内部でマグマによって水が温められて起こった「水蒸気噴火」でした。水蒸気噴火はマグマ噴火よりさらに予測が困難とされています。
活動が活発化している火山では、気象庁の発表する警報に注意し、自治体の指示に従うことが求められます。(間宮利夫)
口永良部島 屋久島の西隣にある火山島で、長径12キロ、最大幅5キロのひょうたん形の島。新岳・古岳・野池山などの火山があります。
仁比・田村貴昭議員 きょう屋久島入り
日本共産党の仁比聡平参院議員、田村貴昭衆院議員は30日、口永良部島民が避難している屋久島に入ります。