2015年5月29日(金)
派遣を大幅に拡大
堀内議員質問 法改悪案で参考人質疑
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衆院厚生労働委員会は28日、労働者派遣法改悪案について参考人質疑を行いました。
意見陳述で、自由法曹団の鷲見賢一郎弁護士は、現行法で定める「業務単位の期間制限は直接雇用につながるものだ」と指摘。これに対して、改悪案では「過半数労働組合から意見聴取しさえすれば派遣受け入れを永続的に継続できる」と批判しました。改悪案にある「均衡処遇」は格差を容認するものであり、「キャリアアップによる正社員化」についても、条文の規定はないと語りました。
また、10月1日に施行される「労働契約申し込みみなし制度」の発動を回避するために、政府・厚労省が改悪案の9月1日施行をねらっている問題について、「派遣労働者に対する背信であり、立法政策として間違っている」と批判しました。
派遣ユニオンの関根秀一郎書記長は、改悪案について「派遣労働者を正社員化する法案ではなく、不安定な派遣を大幅に拡大するものだ」と語りました。
質問に立った日本共産党の堀内照文議員は「派遣について労働者のニーズがあるというが、どう考えるか」と聞きました。鷲見氏は「多様な働き方というが、実際は労働者保護がないまま働かされている。改正案は、その流れを加速させるものだ」と指摘。関根氏も、「低賃金、不安定である非正規雇用、派遣を自ら望む人が多いというのはありえない」と答えました。
堀内氏は、法案の付則で、常用代替が常態化する場合の見直し規定を設けていることについて質問。鷲見氏は「派遣が増え、正社員が派遣に置き換えられる。派遣先にとっては使い勝手のいい法律になっている。リーマン・ショックで起きたような事態を拡大するような法案だ」と語りました。