2015年5月29日(金)
きょうの潮流
この欄でも紹介したAKB48の新曲「僕たちは戦わない」が店売初日に147万枚をこえる史上最高の売り上げを記録しました。振り上げた拳を下ろそう、と訴えた歌が若者の心をとらえているのでしょうか▼センターを務める島崎遥香さんは「この楽曲を通して『今、何が必要なのか』を少しでも感じていただけたら」とコメントしています。あたかも国会では戦争法案の審議中。生々しい戦場に踏み込んでいくかもしれない不穏な空気を、時代に敏感な若者たちも感じ取っているはずです▼イラクに派遣され、サマワの宿営地が何度も攻撃を受けたときから、自衛隊は「死」を内在化したといわれます。いつ戦闘に巻き込まれてもおかしくない現実。いくら条件を付けても、自衛隊の戦地派兵の拡大を目的とした法案が、彼らの危険性をさらにひろげることは明らかです▼共産党・志位委員長の質疑で、アフガンやイラク戦争派兵後に自殺した自衛官が54人にも上る異常な実態が明らかになりました。戦争は狂気の世界。肉体だけでなく、人の心も壊してしまいます▼「日本の若者に殺し殺される戦闘をさせる。それがもたらす心身への深刻な傷痕は計り知れない。未来ある若者を戦場に送ることは絶対に認められない」と迫った志位さん▼審議を聞き、党本部に電話をかけてきた高齢の女性はみずからの決意を込めました。「自分にも孫がいます。戦争法案は日本の若者の命を粗末にするということ。命を張ってでも通すわけにはいきません」