「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2015年5月25日(月)

きょうの潮流

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 歴史上初めての黒人共和国として1804年に独立したカリブの国ハイチが、どうして世界の最貧国の一つとなったのか。フランス大統領が先日、旧植民地のハイチを訪れた時の歓迎式典から、要因の一つを知りました▼独立後のハイチは、仏が独立を承認する代わりに多額の賠償金を支払っていました。調べると、財産を失った仏人の大農園所有者のためでした。ハイチの大統領は式典で、賠償金の返還まで求めませんでしたが、額は現在の180億ユーロ(2兆5千億円)にのぼると明らかにしました▼ハイチは、仏革命のさなかに一大奴隷蜂起を起こしました。指導者のトゥサン=ルヴェルチュールは、最近の高校の世界史教科書にも載る英雄。12年におよぶ解放運動の末に独立を勝ち取りました▼当時アフリカからの黒人奴隷と子孫は40万人を超え、世界の砂糖の4割、コーヒーの6割を生産する国でした。しかし、50年以上かけて払った賠償金は、この国の経済、社会、政治構造に深刻な影響を与えました。(『ハイチの栄光と苦難』浜忠雄)▼仏は、賠償金の返還を拒否しています。今回オランド大統領は、5年間で1億3千万ユーロの多額の援助を表明しましたが、ハイチ国民の抗議はおさまりません▼2001年の国連主催のダーバン宣言は、奴隷制度と奴隷取引を「人道に対する罪」と断罪し、「植民地主義が起きたところは、どこであれ、いつであれ、非難される」と確認しました。国際社会は、日本も含め植民地責任を問い続けています。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって