2015年5月24日(日)
米TPA法案 上院可決
下院は来月審議 難航か
【ワシントン=洞口昇幸】米上院本会議は22日、環太平洋連携協定(TPP)の妥結に向けた交渉を加速させるためオバマ政権が求めている大統領貿易促進権限(TPA)法案を、62対37(議席数100)の賛成多数で可決しました。下院での同法案の審議は6月からの見通しですが、米メディアなどは審議がより難航することを予想しています。
TPAは議会が持つ通商権限を大統領に条件付きでゆだねるものです。
TPP・TPAには、与党の民主党議員の多くが反対・慎重の姿勢です。同党の支持基盤とされる労働組合や環境団体も、TPPは雇用のさらなる国外流出をもたらし、労働や環境などの基準が切り下げられると強く反対しています。そのため上院では、12日に同法案の審議入り動議がいったん否決されました。
オバマ大統領や賛成議員らの説得工作で上院を通過したものの、下院では野党・共和党内にも、反対もしくは立場を明らかにしていない議員が多数いるとされ、「下院でより厳しいたたかいが予想される」(米紙ロサンゼルス・タイムズ)といわれています。
米議会は23日から月末まで休会。TPA法案の下院での審議は6月からといわれていますが、日程は決まっていません。