2015年5月24日(日)
「小中一貫」制度化法案
学校統廃合がねらい
衆院文科委で大平氏 論拠突き崩す
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日本共産党の大平喜信議員は22日の衆院文部科学委員会で、「小中一貫教育」を制度化する学校教育法改定案について質問し、中学1年から不登校やいじめなどが増える「中1ギャップ」への対応や学力向上にも効果があるとする論拠を突き崩しました。大平氏は、国立教育政策研究所の調査結果をもとに、不登校の多くが小学校から連続しており、いじめも中1でピークとは言えないと指摘しました。小松親次郎・初等中等教育局長は、中1から不登校になる割合は20〜25%程度だと認め、いじめも「小4から中3にかけて減少する」と認めました。
「全国学力テスト」の点数が上がったとするデータについても大平氏は、類似問題を何度も行わせるなど学力テスト対策の結果だと強調しました。一方、現場からは「小学校高学年のリーダー性が育たない」など課題が多いとの声が相次いでいると述べ、「ごく限られたデータで『小中一貫教育は優れている』という宣伝を広め、自治体や保護者に学校統廃合を迫るものだ」と批判しました。
下村文科相は「全てがうまくいくことはありえない」と開き直りました。
大平氏は、広島県呉市では「小中一貫教育」が学校統廃合と一体で進められていると指摘。制度化の動きと並んで統廃合の「手引」が出されたことをあげ、「最大の狙いは、さらなる学校統廃合と教員減らし、教育予算削減にある」と批判しました。