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2015年5月21日(木)

派遣「みなし雇用」つぶし

厚労省 5種類文書で工作

派遣法改悪案撤回せよ 衆院委で高橋議員要求

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(写真)質問する高橋千鶴子議員=20日、衆院厚労委

 厚労省が、違法派遣に対する「労働契約申し込みみなし制度(派遣労働者の直接雇用)」の施行前に派遣法改悪案を成立させるよう与党側に工作していた問題で、同省は、5種類もの内部文書を作って工作していたことを20日の衆院厚生労働委員会で明らかにしました。日本共産党の高橋千鶴子衆院議員は「相手によって使い分けていた。国会審議を形骸化するものだ。法案は撤回して審議をやり直すべきだ」と求めました。

 高橋氏の質問には、いすゞ自動車「派遣切り」裁判の原告らが傍聴に駆けつけました。

 厚労省は、議員向け文書のほかにもマスコミ向けの文書を作って工作していたことを明らかにしました。経済界からの「訴訟につながる」などとして、「みなし」制度を発動させないために施行前に派遣法改悪案成立をけしかける内容です。

 高橋氏が9月1日施行では周知期間が短すぎると指摘すると、塩崎恭久厚労相は「10月1日にみなし制度施行ということを踏まえ、9月1日施行で派遣法改正案をお願いしたい」と答弁。高橋氏は「みなし制度があるから早く施行したいと認めたのと同じだ」と批判しました。

 高橋氏が「大臣の了解を得ずに記者への説明に使っていた」とただしても、塩崎氏は問題にしない態度をとりました。

 高橋氏は、「みなし制度」を盛り込んだ2012年の派遣法改正時に、自民・公明両党の国会議員が「(派遣労働者によって)派遣法違反が恣意(しい)的につくられる」「みなし規定を削除すべき」と言って同制度の削除を迫り、施行を3年先延ばしにさせた経過を指摘し、内部文書問題は「みなし制度をなきものにしようというのが核心だ」と批判しました。

 また高橋氏は、「みなし制度」によって派遣労働者を派遣先の直接雇用とする場合、短期雇用を繰り返して何年も働いていたらどうなるのかと質問。坂口卓厚労省派遣・有期労働対策部長は「実質的に判断する」として、形式的に有期雇用にすることはふさわしくないとの考えを示しました。


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