2015年5月21日(木)
戦争の善悪の区別がつかない首相に戦争法案提出の資格なし
党首討論で志位委員長が追及
“「ポツダム宣言」読んでいない”と首相
「戦争の善悪の区別がつかない首相に、日本を『海外で戦争する国』につくりかえる戦争法案を出す資格はない」。日本共産党の志位和夫委員長は20日の党首討論で、日本が過去に行った戦争に対する安倍晋三首相の認識を問いただし、戦争法案撤回を迫りました。 (関連記事) (討論全文)
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志位委員長が党首討論にのぞんだのは11年ぶり。一連の国政選挙での躍進を受け、実現しました。
志位氏は、戦後70年の節目の年にあたって日本が過去の戦争にどういう基本姿勢をとるかが重大問題になっていると提起し、首相に「過去の日本の戦争は『間違った戦争』だという認識はありますか」と端的に問いました。
安倍首相は、村山富市首相談話(1995年)など「節目節目にだされている政府の談話全体として受け継いでいく」とのべるだけで、善悪の判断を正面から答えません。
そこで志位氏は、日本が1945年8月に受諾し、戦後日本の始まりとなった「ポツダム宣言」に言及しました。同宣言は、日本の戦争に対する認識を二つの項目で明らかにしています。
一つは、日本の戦争を「世界征服」のための戦争だったと明瞭に規定した第6項。もう一つは、日本の戦争を「侵略」と規定し、「暴力と強欲」で奪った地域の返還を求めた「カイロ宣言」の履行を記した第8項です。
志位氏は「ポツダム宣言の(間違った戦争という)この認識を認めないのか」と問いただしました。
首相は「私はまだ、その部分をつまびらかに読んでいない。論評は差し控えたい」と答え、戦争の善悪をかたくなに口にしないばかりか、戦後日本の原点となった「ポツダム宣言」すら読んでいないという首相の資格に関わる重大な事実が明らかになりました。
志位氏は「『侵略戦争』はおろか、『間違った戦争』だともお認めにならない」と指摘したうえで、「いま進めようとしている集団的自衛権の行使とは、日本に対する武力攻撃がなくても、米国が、世界のどこであれ、戦争に乗り出したさいに、その戦争に自衛隊を参戦させるものです。しかし、米国の戦争の善悪の判断が総理にできますか。日本の戦争の善悪の判断もできない総理に、米国の戦争の善悪の判断ができるはずがない」と述べ、戦争法案の撤回を求めました。
ポツダム宣言 第2次世界大戦末期の1945年7月26日、米・英・中が、対日戦の終結、日本の降伏の条件を定めて、ドイツのポツダムで発した宣言。ソ連も対日参戦にあたってこれに加わりました。日本軍の無条件降伏と日本の民主化・非軍事化を要求しました。日本は8月14日、天皇出席のもとで開かれた御前会議で宣言の受諾を決定しました。