2015年5月20日(水)
NPT会議第1委
最終案合意せず 全体総会へ
核兵器禁止条約 保有国が“拒否”
【ニューヨーク=島田峰隆】国連本部で開催中の核不拡散条約(NPT)再検討会議で、核兵器廃絶を扱う第1委員会は18日、議長が示した最新の最終文書案の討議を続けました。核兵器禁止条約について触れた条項などに核保有国が反発したため、同委員会は最終文書案に合意できず、19日からの全体総会へ議論の場を移すことを確認しました。
全体総会では、第1委、第2委(核不拡散)、第3委(原子力の平和利用)からの最終文書案をとりまとめて、会議全体の最終文書案として検討し、合意を目指します。
18日の第1委で核兵器廃絶を求める非核保有国は、非同盟諸国が提案する核兵器禁止条約など核廃絶に向けた交渉の効果的措置について述べた段落の強化を求めました。ブラジルやコスタリカは、締約国の関与を「奨励する」としている文言を「求める」などの強い表現にするよう訴えました。
同段落が効果的措置の一つとして、核保有国が主張する“段階的なアプローチ(接近)”を容認するような表現を含んでいることにも批判が出ています。
これに対し、核保有国は「核兵器を禁止する条約へ扉を開くような文書は受け入れられない」(英国)などとかたくなに拒否しました。
第2委員会では、今年12月15日までに中東のすべての国が参加する形で中東非核地帯の創設に関する国際会議を国連事務総長が招集するとした合意文書案が示されています。同会議は、前回2010年の再検討会議の最終文書で12年に開くことを確認していましたが、実現しませんでした。