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2015年5月20日(水)

参院本会議 首相訪米報告に対する

井上議員の質問

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 日本共産党の井上哲士議員が18日の参院本会議で行った安倍晋三首相の訪米報告に対する質問(要旨)は以下の通りです。


 総理は、アメリカ連邦議会の演説で、「われわれは冷戦に勝利した」と述べました。これまで歴代総理は「冷戦終結」や「冷戦構造の崩壊」と述べてきました。なぜ、「勝利」と述べたのですか。日本も、冷戦に参加してたたかっていたという認識ですか。

平和の努力こそ

 東西冷戦は軍事ブロックの対決による果てしなき軍拡競争であり、「軍事対軍事」の悪循環の中、旧ソ連は莫大(ばくだい)な軍事費増大の下で崩壊しました。一方今日、軍事ブロックの解体と機能停止が進み、それに代わり、外部に仮想敵を設けない地域の平和協力の枠組みが広がっています。東南アジア友好協力条約は、独立・主権の尊重、内政不干渉、紛争の平和解決、武力行使の放棄、効果的な協力などの基本原則を掲げ、ASEAN諸国の行動規範から国際条約として発展しています。

 新たな日米防衛協力指針(ガイドライン)では、日米軍事同盟の役割を「日本防衛」はおろか、従来の「周辺事態」も大きく踏み越え、「アジア太平洋地域及びこれを超えた地域」にまで広げました。こうした軍事同盟の拡大ではなく、東南アジア友好協力条約のような軍事によらない平和協力の流れを広げることこそ、努力すべきです。

 総理は演説で、アメリカのリバランス政策を「徹頭徹尾支持する」とし、「日本は、将来における戦略的拠点の一つとして期待されるグアム基地整備事業に28億ドルまで資金を提供します」と述べました。米国領土にある米軍基地に他国が費用負担することへの批判に、沖縄の負担軽減を早く進めるためだと答弁してきたことと全く違うではありませんか。

無制約の同盟か

 新ガイドラインには「憲法上の制約」という言葉がなくなり、日米の行動は「各々(おのおの)の憲法に従って」行われるとの言葉に変わりました。昨年の閣議決定により、アメリカとの地球的規模の軍事協力に、地理的にも内容的にも制約が無くなったという認識ですか。

 総理は、衆院本会議で、安保関連法案を「戦争法案」と呼ぶのは「無責任なレッテル貼りだ」と答弁し、首脳会談後の記者会見では、安保条約の改定時に日本はアメリカの戦争に巻き込まれるという批判があったが、その間違いは歴史が証明していると述べました。

 しかし、アメリカのベトナム侵略戦争は在日米軍基地が出撃基地となりました。90年代以降、自衛隊はアメリカの無法な戦争と占領に加担してきたというのが歴史の事実です。

 提出された「平和安全法制」なるものは、これまでのアメリカの戦争への支援にとどまらず、集団的自衛権の行使、従来の戦闘地域での軍事支援、治安維持活動等、憲法上できないとされてきたことを可能にするものです。その行使を決めるのは時の政府です。アメリカが世界で行う戦争に、いつでも、どこでも、どんな戦争でも、「切れ目」も「歯止め」もなく、自衛隊を支援、参加させるためのものであり、まさに戦争法案に他なりません。このような法案に「平和」「安全」との名前を付けることこそ、国民を欺くものであり、無責任ではありませんか。

TPPは撤退を

 日米共同ビジョン声明はTPP(環太平洋連携協定)交渉の「大きな進展」を強調し、早期妥結をめざすとしました。

 自民党はTPPについて、「農林水産分野の重要五品目等の聖域を最優先し、それが確保できない場合には脱退も辞さない」と公約し、総理は国会で、「守るべきものは守る」と繰り返してきました。ところが米議会での演説では、「単なる経済的利益を超えた、長期的な、安全保障上の大きな意義がある」と述べながら、公約である「聖域」確保には全く触れませんでした。「安全保障上の意義」を理由に、公約や食と農業を守ることよりアメリカの要求を優先しようとしているのではありませんか。

 日本の食と農業を破壊し、経済主権を売り渡す、TPP交渉からの撤退を求めます。


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