2015年5月17日(日)
“大阪市なくすな” きょう住民投票
「反対」投票を 終日訴え
投票箱閉まるまで1万人行動
「大阪市をなくしたらあかん」―。大阪市廃止・解体の是非を問う住民投票は「反対」「賛成」が激しく競り合うなか17日、投票日を迎えました。午後8時に投票箱が閉まるまで攻防が続きます。「大阪市をよくする会」は、「『反対』投票のお誘い行動の総量が勝敗を左右する」と1万人行動をよびかけ。日本共産党も山下芳生書記局長が16日に続き17日も終日街頭から訴えるなど総力を挙げます。
山下書記局長訴え
繁華街や路地裏で「反対」「賛成」両派が入り乱れて宣伝戦を繰り広げた16日、若者たちによる「つぶせ『都構想』サウンドデモ」の唱和がまちに響き、山下書記局長が、市内5カ所で街頭演説を始めると市民が足を止め、二重三重の輪ができました。
山下氏が「住民投票で『賛成』が1票でも上回れば大阪市は廃止されます」と語ると、「あかん」「許さへん」のかけ声がかかりました。
山下氏は「維新も必死の巻き返しです」とのべ、憲法改悪を見すえた首相官邸と、維新の橋下徹大阪市長が連携して「都」構想浮上を図る動きを紹介。「大阪の進路のかかった大事な問題を国政の取引材料にするな、これは大阪市民共通の怒りではないでしょうか」「大阪の進路を決めるのに東京の首相官邸に泣きつく。こんな勢力に庶民の街・大阪の未来を託せない」と語ると、「そうだ」と大きな拍手が起きました。山下氏は「ここ一番、『なにわのど根性』の発揮しどころです。庶民の力、立場を超えた共同の力で大阪を守ろう」とよびかけました。
南海トラフ巨大地震の被害を研究している河田惠昭京都大学名誉教授が2カ所で、山下氏と並んで訴えました。
日本共産党の国会議員も同日、清水忠史、宮本岳志、堀内照文各衆院議員、大門みきし、辰巳孝太郎各参院議員が街頭から大阪市廃止反対を訴えました。
大阪維新の会は17日、60秒のテレビCMを5回放映するほか、投票所ごとの「賛成」呼び込みを計画。それを上回る「反対」の総行動が求められます。
きょうは投票♪つぶそう「都構想」
大阪の青年 サウンドデモ
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「大阪つぶすな」「大阪市民の力をみせよう」―。大阪市の廃止・解体の是非を問う住民投票前日の16日、大阪市つぶしに反対する若者の熱気が、同市の中心部、大阪市役所から難波までを包み込みました。青年グループ「民主主義と生活を守る有志」(SADL=サドル)が主催した「明日は投票 つぶせ『都』構想 サウンドデモ」です。
DJが乗ったサウンドカーを先頭に、20〜30代の青年が目立つ参加者600人は「大阪壊す『都構想』反対」とリズムよく唱和し、プラカードや拳を突き上げました。
沿道では、一緒にリズムに乗る年配男性や笑顔で写真を撮るスーツ姿の女性の姿も。「ちょっと見るだけのつもりが、来たら一緒に歩きたくなった」と言うのは、妻と娘と一緒に途中から加わった男性(37)=中央区、会社員=。「橋下さんと維新の会が全てを決める大阪にしたくない」と語りました。
携帯電話でデモの写真を撮っていた女子学生(20)は「『大阪都』って何か格好悪いし、何がしたいかよく分からないので反対。ポップなデモで驚いたけど、良いことしてるなと思う」と話しました。
SADLはデモ後、心斎橋駅周辺で街頭宣伝。大阪市解体反対で運動する他の市民団体や、民主党、日本共産党の国会議員も駆けつけ、「オール大阪で大阪市解体を止めよう」とアピールしました。
労働者ら訴えた
1000人「反対と書いて」
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「大阪市のくらし、財産を守ってほしいとの思いは反対に」「一票を争う大激戦です。必ず反対と書いてください」。大阪労連は住民投票前日の16日、全国的支援も受けて1000人が参加し、市内各地で宣伝カーやハンドマイクでの宣伝、対話・支持拡大に猛奮闘しました。
ハンドマイク宣伝では、公園や路地裏などで子育て世代を重視した宣伝にとりくみ、「大阪市を無くすのか、残すのかの住民投票です。ぜひ反対しましょう」と力いっぱい訴えました。